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浅野雄 兄弟五輪だ!代表候補初選出が“ラストチャンス”、リオ出場の兄拓磨に続け

[ 2020年12月18日 05:30 ]

U-23代表に初選出され、意気込みを口にする浅野雄也(サンフレッチェ広島提供)
Photo By 提供写真

 日本協会は17日、来夏の東京五輪に臨む国内組のU―23日本代表候補合宿メンバー23人を発表した。約1年ぶりの活動で、8人が新たに選出された。初めて候補入りしたFW浅野雄也(23=広島)は、日本代表FW浅野拓磨(26=パルチザン)を兄に持つ。サッカーでは原則23歳以下となった92年バルセロナ五輪以降、兄弟いずれもが五輪に出場した例はない。16年リオデジャネイロ五輪に出場した兄に続く本大会出場へ、生き残りを目指す。

 兄に続く一歩を踏み出した。1月のU―23アジア選手権(タイ)以来、約1年ぶりとなる五輪代表の活動。前回からMF田川(FC東京)や常連のFW小川(J2磐田)が外れた前線に、成長著しい浅野が割って入った。

 「初めて選出されてうれしい気持ち。どんどん自分のプレーをアピールして、どれだけ通用するかも楽しみ。自分のプレーを出してアピールするだけ。とにかく頑張りたい」

 7人きょうだいの四男で、大体大から昨季プロ入り。J2水戸を経て今季は広島でリーグ31試合5得点を挙げ、シャドーやウイングバックを主戦場に1トップもこなす。スピードは兄よりやや劣るが、左利きで兄以上の足元の技術力を誇るチャンスメーカーだ。

 森保監督の広島指揮官時代の秘蔵っ子でもあった兄は、前回五輪に出場した。私生活では仲の良い2学年上の兄がステップアップする姿を、浅野は大体大時代から、うれしさと同じくらい悔しい思いで見つめてきた。

 今年の1月11日。“ジャガー”の愛称を持つ兄と同じ「29」の背番号に決まった広島での入団会見では「(兄は)日本にいないので、“ジャガー”を奪ってしまおうか」と愛称の強奪を宣言。常に意識している兄に続いて五輪のメンバー入りを果たせば、サッカー界では異例の快挙となる。

 来年3月の活動からは海外組も加わるため、当落選上にいる国内組にとっては森保監督に直接猛アピールできる最後のチャンス。18人への生き残りへ、“リトルジャガー”が下克上を狙う。

 ◆浅野 雄也(あさの・ゆうや)1997年(平9)2月17日生まれ、三重県菰野町出身の23歳。四日市四郷高から大体大に進学し、19年にJ2水戸に加入。同8月に広島への完全移籍が決定するも、同シーズンはレンタル移籍として水戸で引き続いてプレーした。今季は広島に復帰し、スピードを生かして31試合5得点。兄はパルチザンに所属する日本代表FW浅野拓磨。利き足は左。1メートル73、70キロ。

 ▽サッカー兄弟で五輪 五輪本大会に出場したのは36年ベルリン五輪の加茂兄弟(兄・健、弟・正五)が同じ大会に出場した例があるのみ。なお、遠藤兄弟の兄・彰弘が96年アトランタ五輪に出場も弟・保仁(J2磐田)が00年シドニー五輪で登録メンバーに入れず、バックアップメンバーとして同行した。04年アテネ五輪では双子の森崎兄弟(兄・和幸、弟・浩司)がともにアジア予選では出場していたものの、本大会は和幸がメンバー外となった。

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