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G大阪 意地の逆転勝ちで川崎Fの優勝持ち越し 次節直接対決、宇佐美「僕らが止めることは意味がある」

[ 2020年11月23日 05:30 ]

明治安田生命J1第28節最終日   G大阪2-1浦和 ( 2020年11月22日    埼玉 )

<浦和・G大阪>後半21分、ゴールを決め喜ぶG大阪・宇佐美(撮影・西海健太郎)
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 2位のG大阪が浦和に2―1で逆転勝ちし、この日試合のなかった川崎Fの優勝は持ち越しとなった。引き分け以下で優勝の可能性が消えていたG大阪は後半21分にFW宇佐美貴史(28)が同点弾。DF高尾瑠(24)の逆転弾の呼び水になった。25日の次戦はアウェーで川崎Fとの直接対決。目の前で優勝シャーレを掲げさせるつもりはない。

 はるか先を見るよりも、自分たちの現在地だけを見続けた結果だった。ゴール前の混戦からDF槙野の股下を射抜く技あり同点弾を決めた宇佐美は「諦めているわけではないけど正直、勝ち点差はあるんで。目の前の試合だけに集中した」と偽らざる心境を吐露。宮本監督も「次の試合や他チームのことを考えるのは得策じゃない。浦和にはホームで負けている。やりかえそう」と赤い悪魔だけにフォーカスして選手をピッチに送り出した。

 試合前の時点で、首位・川崎Fとは残り6試合で勝ち点17差。一方、浦和に負ければ熾烈(しれつ)な2位争いを繰り広げる名古屋や鹿島との勝ち点差が縮まる。さらに前節・仙台戦は良いところなく、0―4の大敗。シーズン佳境で悪い流れに引きずりこまれないためにも、優先すべきは守備陣の自信回復と勝ち点を奪うことだった。

 強風の下、敵地で先制される苦しい展開。MF小野瀬やDF藤春が負傷するアクシデントにも見舞われた。それでも球際で戦い、チーム総走行距離は浦和よりも約6キロ多い114・653キロ。全員で乗り越え、川崎Fの最速Vを止めた。そして次戦は中2日で川崎Fとの直接対決。引き分け以下ならば優勝シャーレを掲げられるが、宇佐美は不敵に笑う。

 「川崎Fさんは次はホーム戦。そこで決めたいと思っているはず。でも目の前でタイトルを獲られるのは気分が悪い。僕らが止めることは意味がある」

 簡単にゴールテープを切らせるつもりはない。西の雄としての執念を最後まで示す。

 《高尾J1初得点が決勝弾》大卒2年目のDF高尾のJ1初得点が決勝点となった。後半36分、関学大の1年後輩である大卒新人MF山本のCKを頭で叩き込んだ。“KGホットライン”で逆転に成功。攻撃力に優れる不動の右サイドバックは「去年からチャンスはたくさんあった中、決め切れていなかったので良かった」と満面の笑みを浮かべた。

 《次節勝つか引き分けで川崎F優勝》川崎Fは25日の第29節で、ホームG大阪戦に勝つか引き分けると優勝が決まる。2位チームとの直接対決で優勝を決めれば、昨年最終節の横浜(対FC東京)に続き2年連続。ナイターで優勝が決まれば、1シーズン制では初めてになる。敗れた場合は翌第30節が消化済みのため、22日と同様に自身の試合がない29日、G大阪がホーム鳥栖戦で引き分け以下なら優勝決定。G大阪が逆転優勝するには、残り5試合の全勝が絶対条件となる。

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