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鈴木啓太氏 遠藤「読む力」で流れ変えた ヤットさん、長谷部のようなゲームコントロール能力あり

[ 2020年11月14日 05:30 ]

男子サッカー国際親善試合   日本1―0パナマ ( 2020年11月13日    オーストリア・グラーツ )

パナマ戦の後半、競り合う遠藤(左)。後半から出場し、攻守で中盤を支配した(ゲッティ=共同)
Photo By 共同

 【鈴木啓太 視点】後半から出場した遠藤が素晴らしかった。前半に出た課題をチーム全体でも修正したが、遠藤自身もうまくボールを引き出しており、チームリーダー的存在となった。ポジショニングの正確性が抜群で、攻撃時も守備時も位置取りにミスがなかった。ボランチは中盤の中央。通されてはいけないパスや、相手にボールを受けさせたくない場所がある。そこをしっかり埋めていた。

 ボランチは前線とDFラインをつなぐ役割で、正しいポジションと同時に、ゲームを読む力が必要だ。プレーとしては「動き過ぎず、流れを見て」が重要。相手が動いていないときは動いてパスコースをつくる。動いているなら、逆に動かなければ相手が離れていく。これまで遠藤保仁さんや長谷部のように、ボランチがゲームをコントロールして日本代表を支えてきた。今それができるのが遠藤。個人的にはボランチは目立たない方がいいと思っているが、攻守に遠藤が目立ったのは、それだけ際立った仕事をしたということだろう。東京五輪代表のオーバーエージ枠にもうってつけだと思う。

 一方で、サイドに高い位置を取らせるため選択した3バックだが、前半はあまり機能していなかった。森保監督が広島時代にやっていた3バックとは少し異なり、ボランチが最終ラインまでボールを引き出しには下がらず、3人だけで回していた。もう少しボランチを絡めていけば、ボールを前に運ぶことができるし、攻撃にもつながっていく。それでも、3バックのようなチャレンジはどんどんするべきだ。試合機会が少ない今は、1試合が大事。森保監督自身も試合の大切さは十分に理解していると思う。 (元日本代表MF)

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2020年11月14日のニュース