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J再開後初コロナで中止 名古屋、感染さらに2人…濃厚接触者特定間に合わず

[ 2020年7月27日 05:30 ]

名古屋で新型コロナウイルスの感染者3人が確認され、広島戦の中止を知らせるエディオンスタジアム広島の張り紙
Photo By 共同

 Jリーグは26日、当日に行われる予定だった広島―名古屋戦を中止すると発表した。この日、名古屋MF渡辺柊斗(23)とクラブスタッフの計2人が新型コロナウイルスに感染したことが判明し、2人に関わる濃厚接触者の特定が試合直前になるための緊急処置。結局、濃厚接触者なしと判断されたが、コロナの影響による試合中止はリーグ再開後初めて。リーグ運営の難しさが改めて浮き彫りになった。なお、代替日程は決まり次第発表される。

 サッカー界に、またも激震が走った。MF宮原和也(24)の新型コロナウイルス感染が判明した25日、名古屋は選手とスタッフ計60人を対象に独自でPCR検査を実施し、26日に渡辺とチームスタッフの感染が確認された。クラブは開催へ向けて準備していた広島戦の中止を申し出、Jリーグ側が中止の最終決断を下した。

 リーグのガイドラインでは、登録エントリーが14人以上(GK1人含む)いれば試合開催の方針だった。25日夜には、陰性が確認されていた選手17人とスタッフ1人が公共交通機関を使い広島入り。だが、名古屋市の保健所から「濃厚接触者なし」と判断された宮原のケースより1日遅れたことで、この日判明した2人の陽性者に関する濃厚接触者の特定が遅れた。村井満チェアマン(60)と共同ウェブ会見に臨んだ名古屋の小西工己社長(61)は「濃厚接触者の特定が試合開始直前になる」と説明。結果的には濃厚接触者ゼロと判断されたが、メンバーが14人以下となる可能性や、感染拡大のリスクを考慮した判断だった。

 クラブは検温や手洗いの徹底や不要不急の外出自粛などを求めてきたが、6月にFW金崎夢生(31)とGKランゲラック(31)が感染。今月に入ってから新たに3人が陽性判定を受けた。小西社長は「それぞれのつながりが確定していない。まずは濃厚接触者の特定に全力で協力させていただき、つながりがあれば対策させていただく」としたが、感染が判明した渡辺は選手寮で生活しており、隔離されたのも寮内。クラスター化の懸念は否定できない。

 今後は保健所の指導の下でクラブの管理態勢を見直すとともに、27日には改めて全選手、スタッフのPCR検査を実施する。さらに、29日と、リーグが実施する週末の検査を合わせて1週間で3回のPCR検査を行うという。次節は8月1日にホームで行われる柏戦の予定。小西社長は「全力で柏戦へ向けて準備したい」と悲壮な決意を示した。

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