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鹿島創設期から“自在性”の教え クラブに根付くジーコの精神

[ 2018年11月12日 08:31 ]

ACL決勝戦第2戦   鹿島0―0ペルセポリス ( 2018年11月10日    イラン・テヘラン )

<鹿島・ペルセポリス>ACLトロフィーを運び声援に応える鹿島・ジーコTD(撮影・西尾 大助)
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 鹿島の創設期、強化部長の鈴木満常務取締役はジーコ氏から言われた。「日本人は時間帯や得点差、いろんなシチュエーションで何をしないといけないかを考えるゲームコントロールが一番劣っている」。クラブに根付くジーコの精神。鈴木氏は「強いて何かと言うならば“自在性”とか“臨機応変”だとかいうこと」と話す。

 ACLでもその哲学は生きた。敵地の準決勝第2戦水原戦では、1―3という敗退のピンチで選手自ら円陣を組んで状況を整理し、同点に追いついた。また、強い勝利への熱も、今夏ジーコ氏がテクニカルディレクター(TD)として再就任することで戻った。

 ジーコTDは選手に鹿島のユニホームを着て戦う意味を説き、強化部には勝つためのシフトになっているか、練習や試合の時間まで細かく追求した。「意識の低い人間は去っていっていい、という厳しさはより強くなった」と鈴木氏。勝利への熱、そして選手の自立。ジーコイズムが、アジアの頂で花開いた。

 次の時代に向けて、“神様”は告げる。「人間は、生きるために食事を1日2、3回取らないといけない。クラブはタイトルを獲って自分のおなかをいっぱいにする。鹿島というのは常にその意識の下、取り組まなければいけない。生き続けなければいけない」

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2018年11月12日のニュース