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“槙野の夢”を実現に近付ける「サッカーノート」 数々の指揮官のメソッドが満載

[ 2018年11月12日 10:00 ]

浦和ユース選手の“講師役”を務めた槙野
Photo By スポニチ

 浦和の日本代表DF槙野智章(31)には「夢」がある。「将来、監督になりたい!埼スタに監督で帰ってきたい!」。先月末、浦和ユース所属の高校生42名を対象に講師を務めた際、宣言したものだ。W杯での経験を伝えるため、クラブが企画した講演で槙野自身も先生役を快諾。予定を大幅にオーバーし、約80分間、プロ選手の心得、そして自身の夢を熱く語った。

 まず高校生に勧めたのは「サッカーノート」をつけること。これは槙野自身が今も継続しているもので日々の練習メニューから、監督の言葉などを気になったことを丁寧に綴っている。「成長するには自分で自分を知らないといけない」というのが最大の理由。また将来、監督になったとき、選手時代に心に響いた言葉や効果的だった練習メニューを、このノートを見ながら振り返ることも想定している。

 広島でプロ生活をスタートして以後、槙野はペトロヴィッチ監督、堀孝文監督、オリヴェイラ監督、日本代表でも岡田武史監督、ザッケローニ監督、ハリルホジッチ監督、そして森保一監督とさまざまな監督の指導を受けた。性格も国籍も十人十色、戦術、選手へのアプローチも異なる。だが全ての時間が槙野の血となり肉となっている。例えばチームが苦しい時、失点が重なった時、どうすれば修正できるか。槙野のノートにはあらゆるタイプの監督が繰り出してきたメソッドが書き込まれている。

 最近、もっとも印象に残った1人が今年4月、堀監督の解任を受け、暫定的に指揮を執った大槻毅監督(現コーチ)だ。オールバックの風貌で“組長”“アウトレイジ”と呼ばれ、停滞していた空気を一変させた。「言葉で人を動かせる人。1つの言葉、立ち振る舞いでチームを動かした。凄かったです」。槙野自身も「話術で人を成長させたい」と話す。共感する部分も多かったようだ。

 高校生に向けた“講義”ではホワイトボードに傾聴力、思考力、主張力と3つのキーワード書き込んだ。人の意見に耳を傾けることができ、考え、自分を主張できることがプロの心得として大事だと伝えた。さらに「24時間、サッカーと恋をしろ」「頑張るときはいつも今」「チャンス行きの電車に飛び乗れ」など熱い語録を連発した。試合のピッチ上で見せる闘志あふれるプレー姿とはまた別の顔。そこには“未来の名将”をほうふつさせる情熱があった。(牧野真治)

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2018年11月12日のニュース