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【鹿島・三竿独占手記】ベンチ外の“悔し涙”から“嬉し涙”に 主力で初タイトルの感慨

[ 2018年11月12日 08:46 ]

ACL決勝戦第2戦   鹿島0―0ペルセポリス  ( 2018年11月10日    イラン・テヘラン )

<ペルセポリス・鹿島>前半、ドリブルで攻め込む鹿島・三竿(撮影・西尾 大助)
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 【独占手記】ベンチ外の苦しい時期を乗り越えて、昨年5月の大岩剛監督(46)の監督就任とともに主力に抜てきされ日本代表まで上り詰めたMF三竿健斗(22)。主力として初めて手にしたタイトルを振り返り、スポニチ本紙に手記を寄せた。 日程&結果

 笛が鳴った瞬間は、“やっと終わった”と感じた。16年のJ1チャンピオンシップで優勝した時、僕はベンチ外で、みんなが喜んでいる中で悔し涙を流していた。その時に柳沢元コーチから“次はおまえがピッチに立って優勝する番だぞ”と言われた。去年は達成するチャンスがあったけれどできずに、2年たってこうやって優勝できたのは本当に嬉(うれ)しい。今までにないくらい最高だった。

 去年J1の優勝を逃したことは一生忘れないと思う。ピッチに立っていても、何も影響を与えることができなかった。だからこそ今季はチームを引っ張る思いでやってきた。人には言わないけど、試合後に泣いている時に立たせてくれた(対戦相手の)中村俊輔さん(磐田)が掛けてくれた言葉は宝物。タイトルへのリベンジのチャンスでは、絶対に同じ過ちをしないようにしたいと思っていた。

 剛さんの下で起用され続けたから今の自分がある。16年に東京Vから移籍して以来、ベンチ外で練習をしていた時期は、コーチだった剛さんが練習を担当していた。僕の特徴を凄く理解してくれていたし、試合に出られなくて悔しい思いをしている時も“そのままで大丈夫だから続けろ”とずっと言ってくれた。あの期間がなかったら今はない。

 以前からサッカーノートをつけていて、8月から、思ったことをつづる「何でもノート」も書き始めた。その中にはジーコさんの言葉もある。ジーコさんからは“引退した後にその選手が何をしたかは、タイトルを獲った回数で評価される”と聞いた。これが自分が試合に出て獲れた1個目のタイトル。本当に、大きなタイトルだった。(鹿島アントラーズMF)

 ◆三竿 健斗(みさお・けんと)1996年(平8)4月16日生まれ、東京都出身の22歳。生後半年から5歳までカナダのトロントで過ごす。横河武蔵野FCジュニア、東京V下部組織を経て14年4月2種登録され15年トップ昇格。16年に鹿島に移籍。国際Aマッチ5試合0得点。1メートル81、73キロ。

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2018年11月12日のニュース