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野村謙二郎氏が語る森保監督の素顔…ドーハの悲劇で忘れられない一言「ボクが悪いんです」

[ 2018年9月11日 09:30 ]

野村謙二郎氏
Photo By スポニチ

 現役時代から親交の深いプロ野球広島カープの元内野手、監督の野村謙二郎氏(51、スポニチ本紙評論家)が友人へのエールとともにその素顔を明かした。

 カープとサンフレッチェの選手時代に知り合って、もう30年近くなるのかな。森保監督は2学年下なんだけど気が合って、一緒に自主トレをしたり、僕がサッカーが好きなのでフットサルを楽しんだり…。それぞれが監督時代は、よく意見交換もした。僕ら世代は厳しく叱られながら育てられたけど、じゃあ今どきの世代にはどう接すればいいかなどね。今でも時々、食事をするし、先のW杯ではグループリーグ突破を決めたポーランド戦後にロシアにいた森保コーチ(当時)にメールしたら、同点を狙わず1点差負けを選択した最終盤のボール回しについて、「結果がすべてなんです。すごい決断でした」と返ってきました。

 熱い男ですね。選手の成長を発見した時は本当にうれしそうにするし、高校生のレベルが上がってきたことやJリーグの将来などサッカーのことを話し始めたら止まらない。

 1994年の広島・アジア大会。当時は代表から外れていた森保監督から韓国戦のチケットがあるから一緒に…と誘われた。はじめはスタンドで並んで楽しく話しながら見ていたんだけど、僕だったらこうするとか、あのプレーは良いとかダメとか、だんだんと熱くなってきて、途中から一人でゲームに入り込んでしまった。日本が負けたこともあって、こっちから話しかける雰囲気ではなくなり、あげく終了後は僕の存在を完全に忘れて一人で帰ってしまいましたからね(笑い)。

 ドーハの悲劇を経験した一人で、以前、その試合について話した森保監督の言葉が忘れられない。「ボクが悪いんです」と――。

 終了間際のロスタイムでイラクに同点ゴールを決められたシーン。相手コーナーキックがショートコーナーを選択し、ゴール前にいた三浦知良がボールをもつ相手選手に詰めにいった。それをかわされてクロスボールを上げられヘディングシュートを決められた。

 決して誰か一人に責任があるわけではないと思うけれど、森保監督はピッチに立っていた一人としてものすごく責任を感じていたし、今でも忘れていない。マークする選手を外さないことを最後の最後に徹底できなかった――。人につくという指示を三浦カズに出せなかった――。その後の森保一の人生には、あの悔しさと経験が基礎となっている。

 サッカーが好きで、サッカーに熱くて、勝利への激しい執念の持ち主。今回の初陣メンバーは、試したい選手、目指すスタイルに必要な選手を招集したと推測します。やりたいように思い切りさい配をふるって、森保サッカーをやりきってほしい。お互いの自宅はボールを蹴ったら届くぐらいの距離。近くに住んでいますが、遠くから応援していきます。 (元広島カープ内野手、監督)

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