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鬼軍曹だ!ハリル監督 大一番へ声荒らげ要求「芝を短く」

[ 2015年10月8日 05:30 ]

険しい表情で芝を指すハリルホジッチ監督

W杯アジア2次予選E組 日本―シリア

(10月8日 オマーン・マスカット)
 中東遠征中の日本代表は8日、中立地オマーンで18年W杯ロシア大会アジア2次予選第4戦のシリア戦に臨む。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は7日の公式会見後、決戦地・シーブスタジアムの芝に関して細かい要求を出すなど、勝てばE組首位浮上となる大一番へ向けてピリピリムード。7日の前日練習ではピッチが劣悪な上に蒸し風呂状態であることも判明したが、指揮官はなりふり構わず勝利を目指す。
【予想スタメン W杯アジア2次予選 日本代表メンバー】

 ハリルホジッチ監督が突如、戦闘モードに変わった。マスカット市内のホテルでの前日会見終了後。レセプションに向かった指揮官は代表スタッフに向かって声を荒らげた。「マッチコミッショナーを呼べ」。当人がその場にいないと知ると、こう続けた。「芝を短くカットしてくれ。テヘランより長かったらダメだ。水をまいて、ローラーをかけてしっかり固めてくれ」。その表情はまさに鬼軍曹だった。

 テヘランで行われた9月8日のW杯アジア2次予選のアフガニスタン戦でも同様の要求をしたが、通らなかった。今回も中立地ながら実質アウェー戦だけに、要求は突き返される可能性が高いが、グループ首位との大一番とあって直談判に打って出た形だ。前日会見はミーティングが長引いたため遅刻し、日本の後に予定されていたシリアの会見が急きょ先に行われた。内紛で厳しい国内情勢のシリアだけに、かつて同様の境遇にあった自らの祖国・ユーゴスラビア(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)と重ね「国のために真剣に戦ってくる」と警戒を強めた。

 チームはキックオフと同時刻の午後5時に前日練習を開始した。ピッチは想像以上に劣悪で、スタジアムは風通しが悪いため蒸し風呂状態だった。湿度は70%以上。霜田技術委員長も「選手は暑そう。湿度も高い」と心配顔だ。指揮官はシリアについて「何人か良い選手がいる。ボスニア、トルコ、イラク、UAEでやっている選手がいる」と強調。ボスニアはDFカラシ(30)、トルコはFWマルキ(31)、UAEはMFアヤン(30)、イラクはエースFWハルビン(21)。各位置にレベルの高い選手がそろっている。

 過去のシリアとの成績は7勝1分けで、オマーンでの国際Aマッチも5勝2分けと無敗。今回も負けるわけにはいかない。鬼と化した指揮官は、悪条件をはねのけ、首位浮上を目指す。

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