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宇佐美「やっと」1号!圧倒的個の力で…指揮官との約束守った

[ 2015年4月1日 05:30 ]

<日本・ウズベキスタン>試合終了後、宇佐美と抱き合うハリルホジッチ監督

JALチャレンジ杯 日本5―1ウズベキスタン

(3月31日 味スタ)
 期待のストライカーに待望のゴールが生まれた。日本代表は31日、味の素スタジアムでウズベキスタン代表と親善試合を行い、5―1で快勝した。3―1の後半38分には途中出場の宇佐美貴史(22=G大阪)が国際Aマッチ出場2試合目で初得点を決めた。バヒド・ハリルホジッチ監督(62)が初陣からの2試合でフィールドプレーヤー全25選手を起用する中、強烈に存在感を示した。 

 第一声に偽りのない実感が込められていた。宇佐美が出場2試合目で待望の代表初ゴール。「やっと1点取れたなという思い。感慨深いですね。初めて(代表に)入ってから本当に長かった」。11年5月の初招集から5年越しの悲願をかなえ、充実と安どが入り交じった表情を浮かべた。

 後半38分だ。こぼれ球を拾うとDF2人の間をドリブル突破。右足を振り抜いて逆サイドのネットを揺らした。「シュートまでのイメージもできていたし、コースも見えていた」。得点後は同じ92年生まれの“プラチナ世代”柴崎と歓喜の抱擁。「13歳の頃から一緒にやっていた。(柴崎)岳が先に点を取っていたんで、自分もという気持ちにしてくれた」と切磋琢磨(せっさたくま)してきた僚友に感謝した。

 代表デビューとなった27日のチュニジア戦の反省も生かした。GKと1対1で放ったシュートはポストを直撃。「前回はサイドに転がして痛い目に遭ったんで今回は 強いシュートを打った」と高い修正能力を見せた。試合前にハリルホジッチ監督から「1点取れよ。約束だぞ」とハッパをかけられ「笑ってごまかしました」。“不言実行”の結果を残すと、試合後は「約束を守ったな」と称えられた。「この前の試合でミスしても使ってくれた。少しは応えられたかな」とうなずいた。

 将来を嘱望されたが、大きな挫折を味わった。ザッケローニ監督時代は19歳だった11年5月、20歳の12年11月と2度招集されたが出番はなし。11年夏にはドイツの名門バイエルンMに移籍したが、練習で結果を出しても世界屈指のクラブでは試合に出られないという苦しみを味わった。レンタル移籍先のホッフェンハイムでも同様だった。当時のことを「自分も崩れ切っていた」と振り返る。それでも、不遇の時代は無駄ではなかった。12年には欧州CLでベンチ入りを経験。大一番で出番を待つベンチ選手の集中力を学んだ。「あの経験は大きい」。苦手だった途中出場で結果を出せたのは成長の証だった。

 初ゴールは序章にすぎない。「やっとスタートできた」。代表定着、そしてW杯ロシア大会へ。若くして天才と呼ばれた男の戦いは始まったばかりだ。

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