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負傷、インフル…不安要素多いドイツ 苦戦は免れないか 

[ 2014年7月4日 18:00 ]

前日会見で笑顔を見せるドイツ代表GKノイアー(AP)

W杯ブラジル大会準々決勝 ドイツ―フランス

(7月4日 リオデジャネイロ)
 決勝トーナメント準々決勝第1試合は欧州勢同士の対戦となった。ドイツとフランス、W杯含め数々の好ゲームを繰り広げてきたカード。見どころをサッカージャーナリスト粕谷秀樹氏に聞いた。

 各ポジションに好選手を擁するドイツだが、左サイドバックだけは人材不足だ。開幕直前にシュメルツァーが負傷により戦線を離脱したため、現状はヘーベデスひとりであり、彼は所属するシャルケではセンターバックだ。また、右サイドでの先発が考えられるボアテンクも、タイプとしてはセンターである。

 当然、激しいアップダウンが得意ではなく、地上戦よりも空中戦の強さで評価されてきた。好調フランスの両ウインガー、バリュブエナとグリーズマンはドリブラーだ。ドイツがラームを最適なポジション、右サイドバックで起用したとしても、逆サイドから崩される危険が常に付きまとう。

 また、6月30日のアルジェリア戦が予想外の延長戦となったため、中三日の日程は非常に厳しい。疲労は完全に回復せず、中盤はフランスに主導権を奪われる危険度が高くなってきた。ナチュラルなパワーとスピード、スタミナを誇るポグバとマテュイディをいかにして封じ込めるか。シーズン中の負傷を引きずったままのシュバインシュタイガー、ケディラには荷が重い。

 そして『DPA』(ドイツ通信社)によると、ミュラーやフンメルス、クラマーなど、7人もの選手がインフルエンザに感染した疑いがあるという。フランスも中三日だが、ドイツほど疲弊していない。準備試合からの好調を維持しており、とくに得点源のベンゼマも近年まれにみるハイパフォーマンスだ。さしものドイツも、今回ばかりは苦戦を免れない。

 ◇粕谷秀樹(かすや・ひでき) 東京都・下北沢生まれ。「日本スポーツ企画出版社」にて週刊サッカーダイジェスト副編集長、月刊(後に月二回刊)ワールドサッカーダイジェスト初代編集長、同社の編集局次長などを経て、2001年に独立。現在は「スカイパーフェクTV!」、「Jスポーツ」などで、欧州チャンピオンズリーグ、プレミアリーグの解説者として活躍中。

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2014年7月4日のニュース