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本田 3発も逆転負け…「意味ない 俺は散々デカいこと言ってきた」

[ 2013年6月21日 06:00 ]

<日本・イタリア>逆転負けで不敗神話が止まった…。試合中に天を仰ぐ本田

コンフェデ杯1次リーグA組 日本3―4イタリア

(6月19日 レシフェ)
 ザックジャパンが華々しく散った。コンフェデ杯に出場中の日本代表は19日、レシフェでイタリア代表と対戦。壮絶な打ち合いの末に3―4で敗れ、1次リーグ最終戦メキシコ戦(22日、ベロオリゾンテ)を残して敗退が決まった。MF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)は前半21分に先制PKを決めるなど見せ場もつくったが、目標の優勝は早々に消滅。自らに怒り、内容が良くても結果が伴わなければ意味がないと吐き捨てた。

 雨の降るピッチに終了の笛が響くと、本田は両手で顔を覆った。優勝を目指し挑んだプレW杯で1次リーグ敗退。終了のあいさつもせず制止するスタッフを振り切りロッカーに向かった。欧州選手権準Vの強豪に真っ向から打ち合いを演じたが、結果は惜敗。スタッフに呼び戻され嫌々、テレビインタビューに応じると「残念。今は冷静に考えられない。次戦は頑張る」とだけ話して打ち切った。

 見せ場はつくった。前半21分、岡崎が倒されて得たPKのチャンス。本田は、細かいステップで左右に体を揺らすブッフォンの動きを冷静に見極めて左足で右隅に蹴り込んだ。4日のオーストラリア戦に続くPK弾。ただ、躍動した香川に比べて見劣りした印象は否めない。この日のパスは70本、成功率は74%で、香川(87本、83%)に比べて劣った。ボールロストも香川の7に対して15。得点した試合は不敗だったが13戦目で初黒星。5日のW杯決定会見で香川らチームメートに上から目線で課題を突きつけただけに、自らに物足りなさを感じていた。

 試合終了から約30分後。気持ちを落ち着けた本田はブラジル入り後初めて、義務付けられたテレビインタビュー以外で口を開いた。

 「プレーのことは話したくない。話しても説得力がないから。良い試合をしたことに意味はない。良い試合をしたのに大会が終わったことが事実。俺は散々デカいことを言ってきたので、何を書かれても仕方ない。PKの得点しかないことを受け止めないといけない」

 悔いが残ったのは、後半26分、ドリブルで2人をかわして放った右足でのシュートを決められなかったこと。レシフェ入り後は海岸沿いを散歩して気分転換を図る選手が多い中、一人ホテルにこもった。試合前は自らが活躍するシーンを具体的に想像するのがルーティン。イタリア撃破を何度も思い描いたが、現実は甘くなかった。

 世界との差を受け止めて糧にするしかない。08年北京五輪では3戦全敗で1次リーグ敗退。大会後に「北京で見えたものがある」と屈辱を力に変え、翌シーズンにVVVフェンロで16得点を挙げてオランダ2部のMVPに輝いた。高い壁を乗り越え続けてきたからこそ、今の本田がある。

 「またデカいことを言えるように、しっかりと準備したい」

 レシフェで演じた激戦はきっとW杯制覇というどデカい目標へのターニングポイントになる。

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