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浦和 首位討ち3位死守!V絶望的もACL出場権譲らん

[ 2012年11月18日 06:00 ]

浦和イレブンはサポーターにTシャツで「浦和のために最後まで共に闘おうGO→ASIA」とメッセージを送る

J1第32節 浦和2―0広島

(11月17日 埼玉)
 思い出の詰まった古巣に対する精いっぱいの配慮だった。試合終了と同時に、昨季まで6年間、広島で指揮を執った浦和・ペトロヴィッチ監督は右手で控えめなガッツポーズ。下部組織から広島で育った槙野は、左内転筋痛で欠場した柏木とともに広島のサポーター席まで出向き、深々と頭を下げた。

 「まだ僕が浦和に来たことを納得されていない方もいるし、ジュニアユースから(11年間)育ててもらった地。いろいろな思いがあった」

 首位相手に2―0。前半41分に梅崎がゴール。浦和にとって8試合ぶりの先制点だった。後半16分には鈴木が追加点を奪った。守備陣は得点ランクトップの佐藤に得点を許さず。「優勝してくれれば、うれしいけど、きょうの広島を見ていると今後が心配だ」。ペトロヴィッチ監督から余裕のコメントが飛び出すほどの完勝だった。

 この日を目標に戦ってきた。開幕戦では0―1で敗戦。3倍近いシュート(5本―14本)を浴びた。同じシステム、戦術で戦い、成熟度の違いを見せつけられた。その後は時間があれば広島の試合を収めたDVDを見て研究。広島に在籍したことのある柏木らに意見を求める選手もいた。「チンチン(こてんぱん)にやられたことで何が足りないかが分かった。個々の動きの質が広島との差」と槙野。悔しさをバネにはい上がった。

 プライドも捨てた。試合前のミーティング。普段は自分たちの長所を最大限に出すことを重視する指揮官がこの試合では相手の長所を消すことを優先。守備陣にマークの受け渡しやポジショニングを細かく指示した。

 5試合ぶりの勝利で3位キープ。試合後、原口らの発案でイレブンはそれぞれ違った文字が書かれたTシャツを着た。一列に並ぶと「浦和のために最後まで共に闘おう GO→ASIA」。3位以内に与えられるACL出場権獲得を誓った。残り2戦。優勝は絶望的だが、アジアへの挑戦権だけは譲らない。

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