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「遠藤後継者」柴崎けん引初得点 鹿島5発で残留へ前進

[ 2012年10月7日 06:00 ]

<鹿島・FC東京>前半38分、シュートを決めた柴崎(右)はドゥトラと喜ぶ

J1第28節 鹿島5-1FC東京

(10月6日 カシマ)
 チャンスを見逃さなかった。1―0の前半38分。鹿島のボランチ・柴崎が素早くゴール前に進入する。右サイドの西からのクロスを絶妙なトラップで受け、詰めてきた相手DFをかわして右足を振り切ると、ボールはゴール左隅に決まった。「(初得点は)意識してませんでした」。リーグ通算38戦目で決めた一撃に試合後は照れ笑いを浮かべた。

 「相手の良さが出ず、自分たちの良さを出せた。それが内容にもスコアにも表れていると思います」。前節G大阪戦では攻撃的なポジションで起用され、ミスも目立ったが、本職のボランチに戻ったこの日は水を得た魚のように輝きを取り戻した。ボール保持を得意とするFC東京にチームが浴びせたシュート数は実に22本。その攻撃のタクトを振った司令塔としての誇り、充実感が表情に漂った。

 幅広い視野、優れたパスセンスが持ち味。09年のU―17W杯でも日本代表の10番を背負った20歳には、クラブ関係者、日本協会、ファンも無限の可能性を感じている。今年2月には日本代表のザッケローニ監督が将来性を見込んで初招集。現代表の大黒柱・G大阪の遠藤をして、後継者は「岳ちゃん」と言わしめた片りんをのぞかせる90分間となった。

 柴崎の初得点に触発されるように、プロ初のハットトリックを決めたドゥトラは「皆のイメージが共有できたハットトリック」と胸を張った。残留争いすらチラついていた「常勝軍団」が、将来の日本代表を背負うと期待される若き才能の活躍で、逆襲のきっかけをつかんだ。

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2012年10月7日のニュース