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沢“凱旋プレー”でファン魅了!INAC準決進出

[ 2012年8月26日 06:00 ]

<INAC神戸・浦和>前半、パスを出す沢

なでしこリーグ杯A組 INAC神戸3-1浦和

(8月25日 NDスタ)
 なでしこジャパンMF沢穂希(33)が、なでしこリーグ杯浦和戦で五輪後初めてINAC神戸の試合に出場した。大会最多の1万2230人の観客を集めた一戦。本職のボランチではなくトップ下に入りシュートを放つなど攻撃的ポジションで持ち味を発揮した。前半のみの出場だったが、チームは3―1で浦和に逆転勝ち。A組1位での準決勝進出を決めた。B組の日テレは岡山湯郷に6―1で大勝し4連勝で1位となった。

 五輪後初の試合出場となった沢に与えられたポジションは本職のボランチではなくトップ下。最近は代表でもチームでもあまりやっていない攻撃的な位置でスイッチが入った。前半12分、高瀬からの左クロスを受けて、ゴール前の高良へ折り返しシュートをお膳立て。同25分には近賀のシュートのこぼれ球を右足ボレーで狙った。わずかにバーの上を通過したが、この日一番のどよめきを呼んだ。エースのプレーで勢いづいたチームは同36分に高瀬のゴールで同点。前半で退いた沢はベンチで勝利を見届けた。

 「得点は取れればいいけれど、チームの勝利に貢献できるようにと思っていますから」。今季初ゴールは決められなかったが、10年から続けているチームの公式戦無敗は42試合に伸びた。沢は充実感を漂わせた。

 光ったのは沢だけではない。川澄は2アシストをマークするなどチームの全3得点に絡んだ。0―1の前半36分には右サイドを駆け上がり、DF2人を置き去りにするとフリーの高瀬へパス。同点ゴールをアシストすると、後半2分の池笑然(チソヨン)の勝ち越しゴールにも絡んだ。最後は同33分、大野からのパスをヤネズにつないで3点目を演出。「自分が中に切れ込んでも中に味方がいないと得点は生まれない。INACらしいゴールだったと思う」と胸を張った。

 沢に代わって後半から出場した大野も中盤からの精度の高いパスで3点目の起点となった。この日はなでしこリーグ杯最多の1万2230人が観客席を埋めたが、なでしこ見たさに集まったファンを楽しませた。

 会場の山形はなでしこジャパンの佐々木則夫監督(53)の故郷。「なかなか地方で女子サッカーをやる機会がないから、今回も1万2000人ものお客さんの前でサッカーができてうれしかった」。沢は、なでしこに縁のある土地でのプレーに感慨深げに話した。

 五輪帰りのなでしこの活躍で、INAC神戸はA組1位での準決勝進出を決めた。リーグ戦も首位を快走しており、全日本女子選手権と合わせた3冠へ突き進んでいる。

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2012年8月26日のニュース