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徳永だ!権田だ!FC東京“大胆采配”で広島封じ

[ 2012年8月26日 06:00 ]

<広島・FC東京>前半、ヘディングで競り合うFC東京・徳永(左)と広島・ミキッチ

J1第23節 FC東京1-0広島

(8月25日 広島ビ)
 FC東京は25日、アウェーで首位広島に1―0で勝利した。ロンドン五輪代表DFの徳永悠平(28)をプロ入り後初となる左MFで起用する大胆采配がズバリ的中。広島の右サイド攻撃を封じれば、同代表GKの権田修一(23)も好セーブで応え、リーグ戦9戦ぶりの完封劇。白星から遠ざかっていたFC東京が6戦ぶりの白星をつかんだ。

 ロンドンの雄姿がよみがえった。左サイドを制圧したのは徳永だ。広島の3―6―1に対峙(たいじ)するように3―4―3の急造システムで臨んだ一戦。徳永が任されたのは公式戦でも練習でも経験のない左MFだ。それでも「もっと押し込みたかったけど守備はできた」。相手の生命線でもあるミキッチのクロスをわずか1本に抑え、完封勝利に貢献した。

 緊急の任務が下ったのは、何と試合直前のミーティング。「(左MFは)きょう言われた。最初はポジション取りも分からなかった」。そんな徳永を突き動かしたのが、ポポヴィッチ監督の発した熱い言葉だ。「五輪でも(左サイド)やっていただろ。おまえの方がミキッチよりも絶対にいい選手だ!自信を持ってやればいい」。これで燃えないはずがなかった。

 前半39分、相手との接触で左足首を負傷しピッチ外に運ばれた。だが不屈の闘志で再び左MFに戻ると最後までミキッチに仕事をさせなかった。試合後の徳永は「ロンドンでの感覚はあった。もっと左サイドから崩したかった」とあくなき向上心を見せた。五輪でも普段はプレーしていない左SBを任されて、起用された5試合で職務を全う。その能力を見せつけた。

 特に終盤は攻め込まれシュート数も7―14。最後のとりでとなったのも、ロンドン五輪代表GKの権田だった。前半28分には青山の至近距離からのシュートを、後半15分には森脇のループ弾を間一髪はじいた。「(3―4―3は)役割がはっきりしてやりやすかった」。リーグ戦の完封勝利は9戦ぶり、白星も6戦ぶり。配置も布陣も変え、なりふり構わぬ姿勢を見せたタレント軍団がトンネルを抜けた。

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