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内田8強演出!ラウルの特長引き出す“頭脳的”パス

[ 2012年3月17日 06:00 ]

<シャルケ・トゥエンテ>競り合うシャルケの内田(右)

 欧州リーグの決勝トーナメント2回戦第2戦の8試合が15日に行われ、準々決勝進出の8チームが決定した。日本代表DF内田篤人(23)が所属するシャルケはホームでトゥエンテを4―1で破り、2戦合計4―2と逆転で8強入り。内田は右サイドバックでフル出場して得点に絡むなど活躍した。優勝候補と見られていたイングランドの強豪、マンチェスターUとマンチェスターCはともに敗退。16日の組み合わせ抽選で、シャルケは準々決勝(3月29日、4月5日)でビルバオとの対戦が決まった。

 逆転の8強進出を決める価値あるゴールは内田のパスから生まれた。2―1と逆転して2戦合計2―2で迎えた後半26分。右サイドから内田が左足でグラウンダーのパスをFWラウルへ。そのラウルのヒールパスからMFジョーンズの得点につながった。

 「ラウルが(相手DFを)背負っていたのが見えたので、(クロスを)上げるよりも、彼の足元に、という感じだった。フンテラールとラウルは相手を背負ったらうまいから」。浮き球のクロスではなく、スペインの至宝と呼ばれた元同国代表ストライカーのポストプレーの強さを引き出す低いパスを選択したからこそ生まれた得点。パスを出した後もリターンを受けようとゴール前へ走り込んでいるところに、調子の良さが表れていた。4―1で迎えた後半42分には相手の股の下を抜くパスを披露する余裕も見せ「股はよく狙いますよ」と笑った。

 これで公式戦3試合連続フル出場。11日の国内リーグ戦ハンブルガーSV戦ではアシストをマークしており完全復活を印象づけた。昨年9月に右太腿の肉離れに見舞われるなど、体調が上がらなかった前半戦は先発落ちだけでなくベンチ外も経験。メンバー落ちを言い渡された後に、練習グラウンドで一人悔し涙を流しながら走ったこともあったという。冬季中断期間中のカタールキャンプから必死にアピールを続けてチャンスをつかみ、定位置奪還は目前。「体調はまあ、いいんじゃないですか」とうなずいた。

 第1戦の0―1敗戦をひっくり返しての8強入り。欧州CLで日本人初の4強進出を果たした昨季に続く欧州カップ戦での快進撃にも「まだまだこれから。CLもそうだったけど(ベスト)8くらいから違ってくる。大変な相手がいっぱいいるけど」と慢心はない。復調した内田が見据えるのは、さらなる高みだ。

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2012年3月17日のニュース