なでしこ佐々木監督「成功の反対は失敗ではなく、チャレンジしないこと」

　サッカー女子日本代表『なでしこジャパン』の佐々木則夫監督（５３）が５日、盛岡市内で養護教諭など学校の保健関係者約３５０人を前に指導者の立場で講演し、優勝した昨年夏のワールドカップ（Ｗ杯）について「自分たちのプレーで（東日本大震災後も）『日本は元気なんだ』と世界に発信できた」と振り返った。

　佐々木監督は岩手県滝沢村出身の岩清水梓（２５）の名前を挙げ、同選手がいたこともあり「『なでしこ』を岩手の多くの人が応援してくれた」と感謝した。

　Ｗ杯を控えながら、震災による節電の影響でナイター練習ができなくなるなど、チームは窮地に。「薄暗い中、２０キロの走り込みを毎日続けてスタミナをつけた選手もいた。逆境を強みに変えることができた。成功の反対は失敗ではなく、チャレンジしないこと」とアドバイスした。

　一方で「新年ですから特別ですよ」と家族の写真を披露するなど、ユーモアを交えて約１時間半、話した。

　最後にＷ杯のダイジェスト映像が流れると、会場から割れんばかりの拍手が送られた。