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ザック監督困った 台風直撃なら敵地ウズベク戦中2日の強行軍に

[ 2011年8月31日 06:00 ]

ボールを蹴るザッケローニ監督の表情も曇りがち

 9月2日に埼玉スタジアムで行われる予定の14年W杯ブラジル大会アジア3次予選初戦日本―北朝鮮戦が延期される可能性が出てきた。試合当日に台風12号が関東地方を直撃するとの予報を受け日本サッカー協会の小倉純二会長(73)が延期を検討していることを明かした。

 1日延期となれば6日のアウェー・ウズベキスタン戦は中2日の強行軍となり調整は難航必至。前日には本田圭佑(25=CSKAモスクワ)の右膝負傷も判明。ザックジャパンがいきなり窮地に立たされる。

 5大会連続のW杯出場に向け、まさに“嵐の船出”となる可能性が出てきた。大型で強い台風12号は関東地方に接近中で北朝鮮戦当日の9月2日に直撃する可能性が高まっている。試合会場も風速25メートル以上の暴風域に入る恐れがある。小倉会長は「台風が心配。天気予報を見た上で今後の対応を決めたい」と、北朝鮮戦の延期も想定していることを明かした。

 国際サッカー連盟(FIFA)の規約では両国協会の同意があればW杯予選の日程は変更可能。小倉会長は「ホスト国が試合をやれるかどうか決めないといけない。ただ相手(北朝鮮)の都合もある。天気予報を見て(担当者に)検討してもらう」とし「(翌日の)3日は十分あり得る」と1日延期して3日に開催する可能性を口にした。関係者によると、3日開催に備えて既に埼玉スタジアムを予約済みという。

 ただそうなれば、6日のアウェー・ウズベキスタン戦に向けてチームに大きな影響が出るのは必至。長距離移動による疲労が伴う上、試合は中2日の強行軍となる。

 ウズベキスタンは2日に隣国タジキスタンと初戦を行う予定で、移動の負担がほとんどない上、回復に充てる時間も日本より1日多くなる。1月のアジア杯で4強入りした強豪で、ザッケローニ監督も「4強入りは決してまぐれではない。負けた準決勝のオーストラリア戦以外はとても良いプレーを見せていた」と警戒しており、決して侮れない相手だけに、日本は大きなハンデを背負って戦うことになる。

 今後は天候の状況を見ながら北朝鮮協会と調整する。原技術委員長は「(ウズベキスタンへ移動する)飛行機の手配も含め、どういうふうになっても対応できる準備をしていきたい」と話した。協会関係者によると、延期に備え飛行機の手配も準備しているが、場合によっては当初予定された成田空港ではなく地方空港から出発する可能性もあるという。

 また、試合開催をさらに先延ばしにする選択肢もある。原技術委員長も「もう一度、レギュレーションを確認して、どうすれば良いかを検討したい」と説明。ベトナムとの親善試合が予定される10月7日に組み込むことも想定している。

 主将の長谷部は「中2日だろうが中3日だろうが問題ない。多少疲れはあるかもしれないが安全に試合を行うことが大事」と逆境にも負けない強い意気込みを示したが、影響は避けられない。ザックジャパンの命運を左右しかねない台風の行方が気にかかる。

 【代表戦の延期・中止】

 ★戦争余波 03年3月23~31日にジーコジャパン初の海外遠征として米国遠征を予定も、20日にイラク戦争が開戦。移動時のテロの危険性を排除できず、Jクラブや代表選手も遠征参加に否定的になったことで中止に。

 ★SARS 03年5月28日から横浜で行われる予定だった第1回東アジア選手権がSARS(新型肺炎)の影響で延期。中国などでの流行や感染死を受け、他競技で国際試合の中止や延期が続いた中で横浜市から要請を受け、同年12月に延期。

 ★台風 06年W杯アジア1次予選オマーン戦に向け、04年10月9日に敵地へ出発予定も、台風で1日延期。試合2日前到着の強行軍を強いられた。苦戦の試合は1―0で勝利。

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2011年8月31日のニュース