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松田さんの思い出詰まったホームで…横浜 弔いの白星

[ 2011年8月21日 06:00 ]

<横浜・磐田>故・松田氏を称える横断幕を掲げて応援する横浜サポーター

J1第22節 横浜1―0磐田

(8月20日 日産ス)
 横浜がホームで磐田を1―0で破り、首位に勝ち点1差に迫った。0―0の後半39分、FW小野裕二(18)が約1カ月ぶりの今季4点目となる決勝弾を右足で蹴り込んだ。この日は昨季まで所属した元日本代表DF松田直樹さん(享年34)が亡くなってから初のホームゲーム。若き10番の一発で連敗を2で止め、天国の松田さんに初めて勝利をささげた。
【試合結果】

 起死回生の一発だった。スコアレスドローが濃厚となり始めた後半39分、DF栗原の右からのクロスをファーサイドで待ち受けたFW小野は、絶妙なトラップから右足で左隅に叩き込んだ。若き10番は「とりあえず枠にと思って打った」と連敗を止める貴重な今季4点目を振り返った。

 昨季まで16年間所属した松田さんが亡くなってから初のホームゲーム。スタジアムの外には献花台が設置され、試合前には松田さんの横浜時代の雄姿が大型ビジョンに映し出された。キックオフ直前には黙とうが行われ、イレブンも序盤から松田さんのために闘志あふれるプレーを見せた。

 小野にとっても松田さんは忘れられない存在だ。昨年7月にユース所属ながらトップに昇格。松田さんとチームメートだったのはわずか半年間だが、思い出は多い。昨季リーグ最終戦だった12月4日の大宮戦の試合前には、試合用のパンツの「40(昨季の背番号)」と記されている部分に、松田さんが自身の背番号である「3」を上書きしたという。それはミスターマリノスの後継者に指名されたことを意味する。「絶対に海外に行けよとか、もっと上に行けるからと言葉をかけてくれた」。ゴールは尊敬する松田さんへの弔いの一発だった。

 MF中村はPKを外したものの、今季初のトップ下で躍動。「毎試合、マツさんのことを忘れてはいけない」と話した。イレブンの誰もが望んでいた天国の松田さんにささげる勝利。順位は4位のままだが首位との勝ち点差は1に縮まり、チームは息を吹き返した。

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2011年8月21日のニュース