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次はブラジル撃破だ!U―17 6発爆勝でベスト8進出

[ 2011年7月1日 06:00 ]

<日本・ニュージーランド>ゴールを決め早川(左)と抱き合って喜ぶ石毛

U―17W杯決勝トーナメント1回戦 日本6―0ニュージーランド

(6月29日 メキシコ・モンテレイ)
U―17日本代表が“バルサ流”で中田世代超えを果たした。93年以来18年ぶり2度目の決勝トーナメントに進出した日本は29日(日本時間30日)、1回戦でニュージーランドに6―0と大勝。バルセロナのような華麗なパスワークで相手を圧倒した。MF中田英寿らを擁した93年は1回戦で敗退(ベスト8)しており、決勝トーナメント初勝利となった。史上初の4強入りを懸け、3日(日本時間4日)の準々決勝でブラジルと対戦する。

 モンテレイが日本のホームと化した。得点を重ねるたびに地元観客から「ハポン(日本)」コールが湧き起こる。全ての世代のW杯を含めて日本男子最多タイとなる6ゴールをゲット。中田、宮本を擁した93年、小野、高原ら黄金世代の95年、宇佐美、宮市らプラチナ世代の09年もなし得なかった決勝トーナメントでの勝利をつかんだ。

 「ここまで差がついたのはビックリした」と吉武監督も驚くゴールラッシュを呼んだのが、MF石毛の2得点だった。前半20分に相手DFからボールを奪って右サイドを突破。角度のないところからの浮き球クロスは左ポストを叩いてゴールに吸い込まれた。「狙ってない。入ってよかった」と笑った2分後に、FW早川の左からの折り返しを右足で合わせて追加点。所属する清水ユースの大榎監督が「将来は小野伸二のようなタイプになる」と評するテクニシャンはチーム最多3得点となり、得点ランク3位タイに浮上した。

 チームは1次リーグからの4戦で計11ゴール。高い得点力の源は“バルサ流”のパスサッカーだ。「ミーティングでバルサの得点の映像などを見て動き方は頭に入っている。それを出そうという感じ」と石毛。流れるようにボールをつなぎ、ボール保持率で60対40、シュート数で26対4と圧倒し、ニュージーランドのマクファーランド監督を「日本は絶対に優勝できる」と脱帽させた。

 1つ上のプラチナ世代に比べ突出した個の力がない。華麗なパスワークを可能としたのは指揮官が2年かけて築きあげた団結力だ。「日本の良さである協調性で力を合わせ、1+1が3や4になるように21人全員で戦う」と吉武監督。ミーティングでは映画観賞も行い「アルマゲドン」「ハンサムスーツ」などの感想を話し合い一体感を高めてきた。この日でメンバー全員が出場。まさにチーム一丸で18年ぶり2度目の8強を成し遂げた。

 初のベスト4を懸ける準々決勝の相手は、過去3度優勝のブラジル。「大会で一番個の力があるチーム。自分たちの力を試したい」と吉武監督。結束力に裏打ちされたパスサッカーで、個人技に勝る王国を打ち破る。

 ≪FIFA主催では日本の最多得点タイ≫日本が6ゴールで大勝。FIFA主催の男子11人制大会での日本代表最多得点は、U―20W杯の97年マレーシア大会1次リーグ・コスタリカ戦(○6―2)でマークした6得点。今回はこれに並ぶ最多得点タイ、6点差勝利は史上初だ。

 ≪93年日本大会・U―17日本代表メンバー≫司令塔で大会ベスト11にも選出されたMF財前がチームの中心。1メートル94のFW船越がゴール前で競り、FW坂井、MF中田らが得点を狙った。のちに日本代表になったのはDFの松田と宮本、中田、MF戸田。松田以外の3人は欧州でもプレーした。現役はJ1では宮本とFW吉田(ともに神戸)J2ではGK小針(鳥取)戸田(草津)MF佐伯(東京V)。財前はタイのテロ・サーサナ、松田はJFLの松本山雅でプレーしている。

 ▼神戸・DF宮本恒靖 ブラジル代表は17歳以下も本当にうまかった。ロナウドとかもいた。そういう凄い選手とやって経験してほしい。ここからは勢いに乗ったチームが強い。(93年日本大会でベスト8)

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2011年7月1日のニュース