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超強行軍なんの!“長友システム”で魅せる

[ 2011年6月1日 06:00 ]

疲れも見せず、ハツラツとした表情で練習に汗を流す長友

キリン杯 日本―ペルー

(6月1日 東北電ス)
 日本代表は1日、キリン杯ペルー戦(東北電ス)を迎える。5月29日にイタリア杯優勝を飾ったばかりのインテル・ミラノのDF長友佑都(24)は31日、凱旋したその足で新潟合宿に合流。ペルー戦出場にも意欲をみせた。注目の布陣は新たに習得中の3―4―3が濃厚。サイドの選手の攻撃力がカギとなる“長友システム”で、ゴールとアシストを狙う。
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 凱旋した長友が、自身のためのシステム導入に武者震いした。ペルー戦では新たに習得を目指している3―4―3の布陣で臨むことが決定的。サイドの選手をより高い位置に置き、その攻撃力を最大限に生かす布陣で、いわば“長友システム”。「攻撃が多くなる。インテルでも学んでるし、やりがいはある。アシストだけでなく、ゴールも狙いたいね」。長友はその目をギラつかせた。

 ザッケローニ監督はより攻撃的な3―4―3を、9月に始まるW杯予選の切り札と考えている。5月30日に始動した新潟合宿も、その大半を新システム習得に充てた。何より、世界レベルの攻撃力を持つ長友がいて初めて完成する布陣のため、5月29日にイタリア杯決勝を戦った長友を31日の練習に合流できるよう強引に呼び寄せるほどの力の入れようだった。

 その長友もイタリア杯を制し、ミラノの興奮をそのまま日本に持ち込んで来た。到着した成田空港には、首から優勝メダルを下げ、五輪金メダリストのようにメダルをかむパフォーマンスまで見せた。「成長した姿を見せたいね。自分が引っ張るつもりでやりたい」と宣言。明るい乗りのパフォーマンスも、モチベーションを高めるための自己プロデュースだ。前夜から温めていたという。

 ペルー戦のピッチには同僚の悲しみも背負って立つ。この日、遠征先ではいつも同部屋で誰よりも尊敬する“ミスター・インテル”DFサネッティの母ボナッツォーラさんが急逝したという一報を受けた。思わず絶句した長友は「一度、電話しようと思う」と表情を曇らせた。ピッチで全力のプレーを見せることで少しでも元気づけようと考えている。

 イタリアから10時間以上の移動を含め、決勝からは中1・5日の超強行軍。それでも「準備はできている。3―4―3も違和感はない、強力な武器になる」と自信をのぞかせた。世界屈指の名門インテルでも瞬く間に人気者となった長友の持ち味は無尽蔵のスタミナと攻撃力。口にくわえた金色のメダルのように“長友システム”を輝かせてみせる。

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