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「当然」ザック監督V宣言!香川の復活で自信深める

[ 2011年1月23日 06:00 ]

ザッケローニ監督(左手前)の後ろでクールダウンする香川真司

アジア杯

(カタール・ドーハ)
 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)がアジア杯制覇を宣言した。3―2で劇的勝利を収めた21日の準々決勝カタール戦で、これまで不発だったMF香川真司(21=ドルトムント)が2得点を記録。エースが完全復活したことで、指揮官が自信を深めた。チームは激闘から一夜明けた22日の午前中に、ドーハ市内のアルアリ競技場で軽めのメニューで調整した。決勝進出をかけて25日(日本時間午後10時25分キックオフ)に準決勝を戦う。

 大会ホスト国のカタールを相手に劇的勝利を挙げ、指揮官の自信がついに確信へと変わった。「大会のカンピオーネ(チャンピオン)を狙うか?」との質問にザッケローニ監督は、まるでそれが愚問であるかのように「ここまできたら当然だろう」と高らかにV宣言。さらに「あと2試合を戦わないといけないのは間違いない。一つは準決勝。もう一つはあっちだ。それがみんなが望んでいる(決勝)方だといいね」と自信に満ちた表情で語った。

 イタリア人指揮官はこれまで、今大会の目標について一貫して「第一はチームの成長」と言い続け、明確な数字を口にすることはなかった。だが、1次リーグ3試合を通じて「チームは成長した」と自信を深め、必勝を期したカタール戦で劇的勝利。指揮官は「このような試合をしたチームから、何かうまくいっていないことを探すのは難しい」とチームを手放しに褒め称え「選手の精神面はばっちり。あとは体力をどれだけ回復できるかだけ」と25日準決勝の勝利にも揺るぎない自信をのぞかせた。

 その自信の裏には、エースMF香川の復活がある。1次リーグは3戦不発に終わったが、カタール戦では大会初得点を含む2得点でチームを勝利へとけん引した。期待が高いからこそ、指揮官は「前半はチームのためにプレーし過ぎた。後ろに戻りすぎていた。私はそれを望んでいなかった。もっと前でプレーすることを望んでいる」とさらなる注文をつけたが、「シンジは私にとって重要な選手」と香川の復活を誰よりも喜んでいるからこその注文だった。

 実は、リーグ戦17戦8発でブンデスリーガ前半戦MVPに輝いたドルトムントでは、得点を記録した試合では1トップのバリオスよりもペナルティーエリアに近いゾーンでプレーしているとの公式データがある。それだけに、指揮官の指示通り香川がより敵陣のペナルティーエリア付近でのプレーが増えれば、日本の得点チャンスはもちろん、自身の得点王も見えてくる。

 一夜明けた22日には、香川は「ゴールができたことで、気分がいいです。自分のゴールで勝てたことで気が楽になる」と晴れやかな表情で振り返った。さらに「これからの2試合はアジアというより、ワールドクラスに近い戦いになる」と今後も厳しい戦いになることを予想。その上で「これまでほどボールは支配できないかもしれないけど、その分、相手が出てきてスペースができる。1対1が仕掛けやすくなる」と自信を見せた。

 確信を持った指揮官と、自信を取り戻した若きエース。史上最多の4度目のアジア制覇に向け、確かに視界が開けてきた。

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