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本田 鮮やかボレー&アシストも…満たされぬ思い

[ 2010年11月6日 06:00 ]

パレルモ戦で攻め込むCSKAモスクワ・本田(左)

 欧州リーグ・1次リーグ第4節は4日に24試合が行われ、F組のCSKAモスクワはホームでパレルモに3-1と逆転勝ち。ボランチで先発した日本代表MF本田圭佑(24)は後半2分に同点ゴール、同9分にはチーム3点目をアシストして、チームを4戦全勝での1次リーグ突破に導いた。J組のドルトムントは敵地でパリSGと0-0で引き分け。先発フル出場した日本代表MF香川真司(21)は不発に終わった。

【F組


 わずか7分間で3ゴール。CSKAモスクワの怒とうの逆転劇を生んだのは、本田の同点弾とダメ押しアシストだった。1点を追う後半2分。右サイドから猛ダッシュでDFライン裏へ抜け出すと、トシッチのループパスを絶妙な胸トラップ。相手GKの鼻先で、豪快に左足ハーフボレーを決めた。さらに2-1の同9分には、相手DF2人の間を射抜くピンポイントスルーパスをネチドに通して、試合を決定づける3点目をアシストした。
 「(1点目は)トシッチから。彼は英語をしゃべれるし、普段からコミュニケーションを取れる。それが、ああいうパス交換につながったりしている」。最近は試合後に無言で去ることが多かった本田は、意思疎通の向上を欧州リーグ初得点の理由に挙げた。一方で、誤解を恐れない“本田節”でチームに対する釈然としない気持ち、満たされない思いも吐露した。
 この日も定位置となっているダブルボランチの一角で先発したが「ボランチだとは思っていないから。トップ下だと思ってやってるから」。英語を話せない、ロシア人選手らとの対話については「うまくいっているとも言えない。言葉がしゃべれない分、オレが(不満を)抱えているということは、向こうも抱えていると思うし。お互いやりたいサッカーの開きは、オレが1年近くいても、改善されないから」と“サッカー観”の違いにも言及した。
 チームは1次リーグを4戦全勝で突破した。それでも「このチームは本当に発展途上。みんな“我”が強すぎて。オレがね、やりたいサッカーにはほど遠い。難しい場面が多いけど、それもサッカー、オレの人生かなと」。たとえ望まないポジションでも守備で体を張り、チームに貢献してきた自負をにじませた。地元紙には「本田はW杯後、スター気取りの態度を取るようになった」と批判されたが、ピッチでの結果が本田の答え。日本代表でもW杯前の批判を称賛に変えたように、ゴールで自身の価値を上げて、ビッグクラブ移籍の道を切り開いてみせる。

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2010年11月6日のニュース