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中国入りU―21に“超アウェー”の洗礼

[ 2010年11月6日 06:00 ]

ターンテーブルが途中で壊れてU-21日本代表の荷物が途中ででなくなったため先に出てきた荷物が大会ボランティアによって運び出される

 関塚ジャパンがいきなりアウェーの洗礼に見舞われた。8日に広州アジア大会の初戦・中国戦を控えるU―21日本代表は5日、成田発の航空機で現地入りした。到着時には手荷物受け取りで1時間30分近く足止めされ、選手たちはグッタリ。専属の中国公安15人が警備に当たる厳戒態勢の中で移動したが、この日は練習場を確保できず、選手村での軽いトレーニングとなった。

 意気揚々と乗り込んできたはずが、出はなをくじかれた。午後2時すぎに広州・白雲空港に到着したものの、手荷物受け取りのターンテーブルが故障するトラブルに巻き込まれた。バスに乗り込むころには午後3時30分を回り、MF大塚も「疲れました」とグッタリとした表情を浮かべた。
 アウェーの洗礼はこれだけではなかった。大会組織委員会から指定された練習は14時開始。飛行機の到着が14時10分予定だったため、日本協会は17時開始に変更するよう求めたが「照明がないから無理」と断られた。選手村では日本が割り当てられた棟に中国、韓国も同居することが判明。初戦で相まみえる中国と“呉越同舟”となり、息が抜けない環境となった。
 尖閣諸島問題で反日感情が高まり、衝突映像のビデオ流出でさらなる反発を招く可能性もある。すでに厳戒態勢が敷かれ、空港には関塚ジャパンを護衛する中国公安15人が配置された。在広州の日本領事館は注意喚起を発表し、試合時の横断幕などの危険性を訴えた。JOC関係者によれば、試合当日にはサポーター同士の衝突を避けるため、日本人専用の避難経路が設けられる可能性もあるという。
 チームリーダーとして帯同する原技術委員長は「われわれは冷静に対応したい。選手にはいい状態で、いいサッカーをすることに集中してほしい」と語った。“超アウェー”といえる広州で、関塚ジャパンはアジア大会初優勝を目指して戦う。

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2010年11月6日のニュース