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「若くないと磨かれない」ザック監督は“育成のマエストロ”

[ 2010年10月8日 12:12 ]

全体練習終了後、FW森本貴幸(右)にマンツーマン指導するザッケローニ監督

 8日のアルゼンチンとの国際親善試合で初陣を迎える日本代表のザッケローニ監督。ACミラン、インテル・ミラノなどイタリアのビッグクラブを率いた経験を持つが、同監督が手腕を最も発揮したのはウディネーゼ時代だと言う人は多い。ガゼッタ・デロ・スポルト紙のルカ・カラマイ記者は「海外の無名の選手を育てて、他のクラブでシンボル的な存在となる選手にまで育て上げた。彼の素晴らしい能力の一面」と“育成型”指導者としての能力を高く評価する。

 当時、ウディネーゼのスカウティング部門の統括責任者だった現カターニアGMのロモナコ氏も「われわれが連れてきた無名の選手たちの能力を現場で引き出したのがザッケローニだった。外国人選手に一流のサッカーを叩き込むことに成功した、まさにサッカーのマエストロ(巨匠)だ」。ビアホフ(ドイツ)、アモローゾ(ブラジル)、ヘルベグ、ヨルゲンセン(ともにデンマーク)らを各国代表の常連に成長させ、97~98年にはセリエAで3位となった。

 ACミランでもスターを特別扱いせず、練習でいいプレーをした選手を起用する方針を貫き、若手を大胆に登用した。アンブロジーニ、グリエルミンピエトロを抜てき。21歳だったアッビアーティに守護神を託した時期もあった。大型補強に頼って獲得したスクデット(優勝)ではなかった。

 ザッケローニ監督は日本のサッカーに関し「チームのための犠牲を惜しまない素晴らしいスピリットがあるし、戦術的センスも素晴らしいが、(技術的な)クオリティーを加えていかないといけない」と話し、課題の克服のために「クオリティーは、若くないと磨かれない。だから若手を育て、底辺からのレベルアップに貢献することにも凄く興味がある」と若年層の強化を訴える。

 「時間があれば下の世代や若手育成の現場などに通じた仕事もしたい」とも話しており、すでにU―21代表以下の各年代のイタリア代表のスーパーバイザーを務めるアリゴ・サッキ氏と意見交換。将来を見据えながら日本代表を強化していく。

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2010年10月8日のニュース