×

俊輔ショック…エスパ主将急死、開幕戦影響も

[ 2009年8月10日 06:00 ]

7月17日、ペララーダ合宿で走り込みをするハルケ選手(左)と中村俊輔

 日本代表MF中村俊輔(31)が所属するエスパニョールの主将、DFダニエル・ハルケ選手が8日、合宿先のイタリア・フィレンツェ郊外コベルチャーノの宿舎で心臓発作のため急死した。26歳だった。チームは12日まで予定していた合宿を打ち切り、9日に本拠地バルセロナへ戻った。中村やチームメートが受けたショックは計り知れず、ビルバオとの開幕戦(30日)へ影響が出ることは必至となった。

 3週間後に迫った開幕戦へ向け、順調に調整を続けていたエスパニョールを悲劇が襲った。チームは8日午前に練習を行った後はオフ。ハルケ選手は午後7時頃に宿舎の部屋で恋人と電話中に「気分が悪い」と話した直後、会話が途切れた。不審に思った恋人がチーム関係者に連絡し、関係者が部屋の中で意識不明で倒れていたハルケ選手を発見。チームドクターが救命措置を行ったものの、午後8時頃に搬送先の病院で死亡が確認された。電話中に心臓発作を起こしたとみられ、クラブも心臓発作による死亡と発表した。

 ハルケ選手はエスパニョール生え抜きのセンターバックで、02年10月にプロデビュー。06年にはスペイン国王杯優勝に貢献するなどチームの精神的支柱として活躍し、今季からFWタムードに代わって主将に就任した。これまで心臓に問題はなく、今季のメディカルチェックでも異常は見られなかった。恋人は妊娠6カ月とも、来月にも出産とも言われており、公私とも順調な状態だった。

 主将の急死を受け、チームは9日にボローニャ、12日にリボルノと予定していた練習試合を中止し、イタリア合宿を打ち切った。9日にチャーター機でバルセロナに戻り、中村ら選手はそのまま帰宅。リブレ会長は「彼は素晴らしい人間でプロフェッショナルだった」、GKカメニは「みんな悲しみに暮れている」とコメントした。ハルケ選手は新加入の中村がチームに早くなじめるよう、7月のジローナ合宿で食事に誘うなど尽力してくれただけに、中村にとってもショックは大きい。スペインでは07年8月にセビリアDFアントニオ・プエルタ選手(享年22)が試合中に倒れ、3日後に死亡する悲劇があったが、またも起きた突然死に欧州サッカー界には衝撃が広がっている。

 ◆ダニエル・ハルケ 1983年1月1日、スペイン・バルセロナ生まれ。02年10月のウエルバ戦で、19歳でトップデビュー。昨季リーグ戦はDFでチーム最多の36試合に先発出場し、2得点。堅守を誇り、FKも得意としていた。新本拠地コルネジャ・エルプラットのこけら落としとなった2日のリバプール戦は試合終了間際まで出場し、無失点勝利に貢献した。1メートル85、77キロ。

続きを表示

2009年8月10日のニュース