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俊輔 奮闘も有終の美飾れず…4連覇ならず

[ 2009年5月25日 06:00 ]

ハーツ戦の前半、攻め込むセルティックの中村俊輔

 スコットランドリーグ2位のセルティックは24日、ホームでハーツと対戦し0―0で引き分けた。4連覇を逃し、宿敵レンジャーズに優勝を譲った。今季限りで退団が決定的な日本代表MF中村俊輔(30)は有終の美を飾ることはできなかったが、右MFでフル出場し攻守に奮闘。古巣・横浜への復帰を前に欧州での7年間の集大成にふさわしいプレーを見せた。中村は26日に帰国し日本代表に合流する。

 こん身のミドルシュートがゴールの枠をそれた直後、試合終了の笛が鳴った。すべてが終わった。中村はうつむいたままピッチを引き揚げた。
 首位レンジャーズと勝ち点2差で迎えた最終戦。セルティックでの“ラストゲーム”。痛めている右足の付け根の状態が万全でない中、守備では果敢にプレスをかけた。前半35分にはペナルティーエリア左でパスを受け得意の左足でゴールを狙った。「最後まで全力でプレーする」と話したとおり奮闘した。
 05年夏にレジーナから移籍。加入当初はフィジカルコンタクトの激しいスコットランドのスタイルに戸惑い「長所をどんどん出すことによって評価してもらい、短所はばれないようにやっていた」。2年目は欧州CLでマンチェスターUなど強豪と対戦することで欠点を改善する重要性を痛感。苦手だったスライディングやコンタクトプレーに精力的に取り組んだ。
 そんな中村にサポーターも魅せられた。体を張ったプレーに、セルティックパークは称賛の拍手に包まれた。「それまで自分の中で良いと思ったプレー以外で拍手してもらったときの感覚がなかった。観客に成長させてもらったというのはすごくある」と言う中村。サポーターからクラブ史上最高の外国人選手とされる元スウェーデン代表FWラーションと並び称される存在になった。
 4年目のシーズンを振り返り中村は言った。「ケガが多く、完ぺきに治す前に(試合に)出ながらやっていくことが多かった。(それでも)自分のパフォーマンスをガクッと落とさずにできた。(優勝を逃したが)ビリになるわけではないし、落ち込むのではなくプラスの面もある。今後に生かせると思うし、面白いシーズンだった」。今季限りでセルティックとの契約が満了。オファーを受ける古巣・横浜への復帰が決定的だ。02年夏に欧州に渡って約7年。集大成となったこの試合はドローに終わりリーグ4連覇は果たせなかった。だが、欧州での掛け替えのない経験とセルティックでの3連覇を手土産に、日本が世界に誇るレフティーが日本サッカー界へ、いよいよ凱旋する。

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2009年5月25日のニュース