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バスケ男子 米国、圧勝で3連覇!勇退「コーチKのため」五輪25連勝で達成

[ 2016年8月22日 14:03 ]

30得点で米国の優勝に貢献したケビン・デュラント。星条旗を手に笑顔(AP)

 リオデジャネイロ五輪最後の実施競技となったバスケットボール男子の決勝が21日に行われ、米国が96―66(前半52―29)でセルビアに圧勝。ケビン・デュラント(27=ウォリアーズ)が12年ロンドン五輪の決勝(対スペイン)と同じ30得点をマークしてチームを引っ張り、3大会連続15回目の優勝を五輪通算25連勝で達成した。

 レブロン・ジェームズ(31=キャバリアーズ)、ステファン・カリー(28=ウォリアーズ)、クリス・ポール(31=クリッパーズ)といったトップ選手が休養と故障を理由に代表を辞退し、戦力低下を指摘されていた今回の米国代表。準決勝までは10点以内の試合が4回もあり、1次リーグA組ではこの日対戦したセルビアに94―91と手こずっていた。

 マイケル・ジョーダン、マジック・ジョンソンらを擁して出場した92年のドリームチームは全8試合で平均43・8点差をつける圧倒的な力を発揮していたが、今回の米国代表の準決勝終了時点での平均点差は21・4(最終的には22・9)。ロンドン五輪よりも10点下回るなど上位国との対戦は「競り合って当たり前」の状態になっていた。

 しかし決勝では最大41点差をつけるなど全選手が奮起。五輪3大会を率いてこれを最後に代表から退くマイク・シャセフスキー監督(69)は「試合を重ねるごとに選手は学んでいった。すべては決勝のための勉強だった」と苦戦となった試合を“教材”にして決勝では見違えるような結果を残した。

 デュラントは「コーチK(シャセフスキー監督の異名)にもうひとつ金メダルを持って帰ってもらうのも目的のひとつだった」と、デューク大の監督ながらNBAのスター選手で構成される代表チームを長年にわたってうまくまとめた指揮官のために奮闘。東京五輪ではNBAスパーズのグレグ・ポポビッチ監督(67)がこの要職を引き継ぐが、コーチKは輝かしい足跡を残して有終の美を飾った。

 全8試合に先発したカーメロ・アンソニー(32=ニックス)はジェームズとポールが不参加となったために、ただ1人、4回目の五輪となっていたが決勝でも体を張ってプレー。「1次リーグであまりいいプレーができていなかったなどど、雑音が多かったけれど金メダルがかかったゲームになると集中できるんだ」と男子バスケットボール界史上初となる3つ目の金メダルを獲得した。ニックスでは3季連続でプレーオフ進出を逃し、ナゲッツ時代を含めていまだにファイナルに出たことはないが、五輪では金字塔を樹立。国際的プレーヤーとしての存在感は最後まで際立っていた。

 敗れたセルビアは五輪では初のメダル獲得。しかしステファン・マルコビッチ(28)は「彼らが思い通りにプレーするともはや阻止することはできない。しかも12選手すべてがそれをできるんだ」と米国代表の底力に脱帽していた。

 なお3位決定戦では過去2大会連続で2位だったスペインが89―88(前半40―38)でオーストラリアに競り勝って銅メダルを獲得。これが代表最後の試合となるパウ・ガソル(36=スパーズ)が31得点11リバウンドを挙げ、1点を追って迎えた第4Q残り5・4秒にはセルジオ・ロドリゲス(30)が値千金のフリースローを2本決めて接戦をものにした。オーストラリアは4回目の4位。悲願の初メダルをまたしても逃し、試合が終わると多くの選手が涙を浮かべていた。

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