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やり投げ新井 失敗3本でメダルならず…「理想を求めすぎた」

[ 2016年8月22日 05:30 ]

1回目の投てきにのぞむ新井

リオデジャネイロ五輪陸上・男子やり投げ決勝

(8月20日)
 男子やり投げ決勝で、新井涼平(25=スズキ浜松AC)は79メートル47にとどまり、12人中11位だった。17日の予選では1投目で84メートル16をマーク。決勝に期待を抱かせたが、低調な記録に終わった。レーラー(ドイツ)が90メートル30で優勝した。

 思わぬ結末に涙が浮かんだ。新井は失敗スロー3本で、上位8人が進む4投目以降に進めなかった。記録は79メートル47で12人中11位。あわよくばメダルと期待された力を発揮できないまま、リオを去ることになった。

 「予選ぐらいの記録からスタートさせたかった。それが全て。いいイメージでできなかった」。

 17日の予選は1投目で84メートル16をマークし、全体4位で突破した。しかし、決勝は別物だった。「いつもなら簡単に出せる」という80メートルラインが越えない。予選後の練習でフォームを崩したのが原因だ。「理想を求めすぎた」。

 1月の結婚を機に意識が変わった。これまで食事は気が向くまま。食も細く「朝ご飯にアイスクリーム2つ。夜におにぎり少しという日もあった」というアスリートらしからぬ食生活だった。妻・美奈さんはフードマイスターの資格を取り、油や塩、水にもこだわって体にいい物を選んだ。

 「量も食べるようになった。回復力が違う。体調を崩さなくなった」。

 増減が激しかった体重は94キロ以上で安定。6月の日本選手権を84メートル54で優勝し、結婚効果を証明したばかりだった。

 歯がゆい結果に終わり「申し訳ないと思っています」と何度もざんげした。しかし、謝る必要はない。6月の日本選手権で80メートル台を出したのは新井一人だけ。日本の第一人者であることをみんな知っている。東京でこそ、あのビッグスローを。

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