【英G1プリンスオブウェールズS】シャフリヤール 日本調教馬初制覇へ!陣営「結果で恩返し」

[ 2022年6月15日 05:30 ]

シャフリヤール
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 冷静なる5頭立て、その向こう側に歓喜の瞬間を期待しよう。英G1「プリンスオブウェールズS」は15日、日本時間深夜23時40分にゲートイン。昨年の日本ダービー馬シャフリヤールが日本調教馬として初の同レース制覇に挑む。

 3月のドバイミーティングでは日本馬が活躍。実に5勝を挙げた。海外馬券の発売が浸透、興奮のナイトレースに沸き続けた。中でもシーマクラシックを勝利したシャフリヤールの強さにはシビれた。好位の内で脚をため、力強く抜け出した。これぞ日本ダービー馬の底力。海外G1初制覇を成し遂げた。明け4歳初戦、ストーリーの第2幕が開けた。次なるターゲットは欧州。起伏の激しいアスコットの馬場で能力全開といくか。

 調整もいたって順調だ。決戦前日の14日はニューマーケット調教場のウォーレンヒル(坂路コース)を1本。騎乗した藤原助手は「ロジャー・ヴェリアン厩舎と関係者のサポートのおかげで、ここまで順調に来られています。馬の状態は良いので、結果で恩返ししたいと思います」と意気込んだ。5頭立ての3番ゲート発進。藤原師は「他馬との並びも良く、作戦を立てやすい枠だと思います。あとはレースでどのような適性、パフォーマンスを見せてくれるか。期待と不安が混在していますが、馬の状態は良く期待の方が大きいです」と手応えをにじませた。

 過去に15年スピルバーグ、16年エイシンヒカリ、19年ディアドラがこのレースに挑戦したが、勝つことはできなかった。今年はサウジ、ドバイで日本馬が既に9勝。海外との距離は大きく縮まった。再び異国の地で、堂々と。伝統のロイヤルアスコットで日本ダービー馬が凱歌を上げる。

 ▽ロイヤルアスコット 毎年6月3週目にアスコット競馬場で英国王室が主催する開催。英国では「ロイヤルミーティング」と呼ばれ、日本では「ロイヤルアスコット」で定着している。日本調教馬の最先着は00年キングズスタンドSのアグネスワールド2着。今年は14日から18日まで5日間の日程でG1・8鞍が組まれている。

 ▽アスコット競馬場 首都ロンドン近郊にあり、英国王室が所有。アン女王の意向で建設され、1711年8月11日に開場した。今年、平地の競馬は4月27日から10月15日まで18日間の日程で開催。ハイライトとなるロイヤルアスコット、7月のキングジョージ・ウイークエンド、10月のブリティッシュ・チャンピオンズデーといったビッグイベントが組まれている。芝コースのみで、おむすび型の右回り1周2816メートルで最後の直線は503メートル。1600メートルまでの直線コースと、ほぼ同じ1590メートルでも引き込み線を利用したワンターンの形態がある。パリロンシャンの約2倍、中山の約4倍となる22メートルの高低差があるタフなコース。

 ▽アスコットの天気と馬場 ロンドン近郊のアスコットは晴れ時々曇り、最高気温25度の予報。降水確率10%で日中、ほぼ雨の心配はない。前回の開催からロイヤルアスコット開幕まで1カ月以上、間が空いて芝は絶好のコンディション。馬場が硬くなりすぎないよう連日、散水があり、7段階ある表記で3番目に乾いた状態のグッドトゥファームか4番目のグッド(ここまでがJRA表記の良馬場)に調整されている。14年プリンスオブウェールズSでザフューグが記録した2分1秒9が1990メートルのコースレコード。クッションが利いて脚元に優しい。

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2022年6月15日のニュース