【共同通信杯】エフフォーリア“クラシック主役”だ!無敗重賞初Vで堂々名乗り

[ 2021年2月15日 05:30 ]

<共同通信杯>無傷3連勝で重賞初制覇のエフフォーリアとガッツポーズの横山武(撮影・西川祐介)
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 クラシック登竜門「第55回共同通信杯」が14日、東京競馬場で行われた。横山武騎乗の4番人気エフフォーリア(牡3=鹿戸)が、早め先頭から2馬身半ちぎる完勝で、重賞初制覇を飾った。阪神では「第114回京都記念」が行われ、川田騎乗のラヴズオンリーユー(牝5=矢作)が1番人気に応え快勝。19年5月のオークス以来、約1年9カ月ぶりの勝利を挙げた。

 22歳の若き関東リーディングジョッキーに導かれたエフフォーリアが、G1馬の弟など良血馬を力でねじ伏せた。2馬身半差をつけて先頭でゴールへ飛び込むと、まずは右手でガッツポーズ。ムチを持ち替えると、今度は左手を高々と上げ喜びを爆発させた。横山武は「前走はテンションが高かったけど、今回は落ち着いていて、返し馬からリラックスしていた。力を発揮すれば、(勝てる)自信はあった」と破顔一笑。エフフォーリアはデビュー3連勝で重賞初制覇。横山武は昨年のフローラSに次いで、2度目の重賞制覇となった。

 センス抜群のレース内容だった。好スタートを切り、逃げ馬の直後という好位を難なく手にした。前半3F37秒4のスローペースにしびれを切らし、向正面で後続馬がかわしていっても、慌てることなく人馬は動かない。4角を回り馬場の真ん中に導いて、残り400メートルでゴーサイン。早めに抜け出したが、迫ってくる馬はいない。逆に差を広げる圧勝劇。父エピファネイアが、14年ジャパンCで見せた4馬身差Vをほうふつさせるパフォーマンスだった。

 鹿戸師は「思った以上に強かった。凄い瞬発力。抜けちゃえば大丈夫だと思っていた。安心して見ていられました。今後はオーナーと相談になりますが、一度放牧に出して皐月賞へ直行だと思います」と、ホッとひと息。殊勲の鞍上についても「勉強熱心でガッツもあって、気持ちのいい競馬をしてくれます」と高評価を与えた。

 これで横山武&エフフォーリアのコンビが、クラシック戦線の主役の一角を担うのは確実。くしくも父・横山典が、メジロライアンとのコンビで90年クラシックに挑んだのも22歳だった。父は皐月賞3着、ダービー2着、菊花賞3着と、惜しくも3歳クラシックタイトルに手が届かなかった。あれから31年。偉大な父が22歳時に果たせなかった夢の実現へ、そして“父超え”を目指して、横山武は21年クラシック戦線に挑む。

 ≪皐月、ダービー、菊花 3冠馬2頭≫今年で55回目を迎えた共同通信杯からはクラシック優勝馬10頭(別表)が出ている。ダービー馬は7頭。そのうち、83年ミスターシービー、94年ナリタブライアンの2頭は皐月賞、菊花賞を含め3冠馬に輝いた。エフフォーリアの父エピファネイアは13年の3歳時は弥生賞(4着)から始動したため、共同通信杯は不出走だったが、皐月賞2着、ダービー2着、菊花賞1着。息子も父に続いてクラシック馬に羽ばたくか?

 ◆エフフォーリア 父エピファネイア 母ケイティーズハート(母の父ハーツクライ)18年3月10日生まれ 牡3歳 美浦・鹿戸厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績3戦3勝 総獲得賞金5571万6000円。馬名の由来は強い幸福感(ギリシャ語)+母名より連想。

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