【多摩川・レディースC】平山“涙の女王”6年8カ月ぶり3度目G1制覇!SG戦線復帰見えた

[ 2020年8月11日 05:30 ]

<レディースチャンピオン最終日12R>悲願のタイトル獲得に涙する平山(撮影・吉田 剛)
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 多摩川のプレミアムG1「第34回レディースチャンピオン」は10日、12Rで優勝戦が行われた。2号艇の平山智加(35=香川)が2コースからまくって優勝。13年12月クイーンズクライマックス以来、6年8カ月ぶり3度目のG1制覇を飾った。賞金1100万円を獲得し、女子賞金ランキングトップに浮上。来年3月のクラシック出場権も手に入れ、16年ダービーから遠ざかっているSG戦線復帰も見えてきた。

 平山は泣いていた。「本当に獲りたかったタイトルだから…。とてもうれしい」。実に6年8カ月ぶりのG1制覇。笑みを浮かべながら頬を拭った。

 平山の強さだけが光った。2コースからのスタートはコンマ20。イン守屋より3分の1艇身も遅れた。セオリーなら差して守屋のミス待ち。だが、外を全速で付け回った。「最初はまくりと差し、半々で考えていた。どっち?どっち?と思っているうちに体が勝手に動いた」。反射的に放ったターンが見事に命中。守屋を引き波にハメ、1Mで残る5艇を後方に置き去りにした。

 13年1月の尼崎周年でG1初優勝。山川美由紀以来、史上2人目の男女混合G1を制した女子レーサーとなった。同年12月のクイーンズクライマックスも優勝。女子No・1の地位を確立した。だが、レディースチャンピオンだけは勝てなかった。これまで4優出。うち3度も優勝戦1号艇があったが全て敗れた。「1号艇の方が重圧は大きいけど優勝したいと思ったら2号艇でも緊張した」。再び襲ってきたプレッシャー。だが、今までとは違った。平山は2児の母になっていた。

 「守るべきものが増えて心が強くなった。子供を置いてレースに来ている以上は1分、1秒も無駄にしたくない。重圧を克服できたのは子供の存在も絶対にある」。母の強さが“魔物”を追い払った。

 長い産休を挟みながらも2つの女子限定G1を完全制覇。さあ次は混合G1のさらに上、超一線級男子が勢ぞろいするSGだ。「ブランクはあるけど目指すところは同じ。SGで活躍したいという気持ちは今も持っている。そこに向けて勉強していきたい」。5月には「ボートレースをもっと広めたい」という思いからユーチューバーデビュー。自ら広告塔の役割も担いながら、平山は心を込めて走り続ける。

 ◆平山 智加(ひらやま・ちか)1985年(昭60)7月13日生まれ、香川県出身の35歳。香川支部属の98期。06年5月、まるがめでデビュー。G1・3Vを含む通算30V。夫は69期の福田雅一。同期に鶴本崇文、松田祐季、松本晶恵ら。1メートル56、46キロ。血液型O。

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