山口支部126期生、期待の若武者3選手デビュー!SG制覇へツケマイ決めろ

[ 2020年6月11日 05:30 ]

山口支部からデビューする126期3選手。(左から)福山恵里奈、島川海輝、野田彩加
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 スポーツ万能娘がいれば、成長中の17歳コンビもいる。約17倍の狭き門を突破して126期生としてボートレースの世界に飛び込み、減量とも闘いながらプロとしての第一歩を記した山口支部の精鋭3人を紹介する。ちなみに山口県出身の女子レーサーは113期生の木村詳子(32、旧姓津田)以来、約6年半ぶりの誕生だ。

 野田彩加(17)は兄・祥巧(しょうき)さんの影響で幼稚園の年中から空手を習い、小学3年時に全日本選手権空手道連盟・形の部で全国大会優勝。中学では2年時に組手の部でアジア大会V。3年時には全国制覇を成し遂げ「未練はない」と空手に別れを告げ、次に選んだのはボートレーサー。一発合格で養成所に入り、最年少レーサーとしての道を歩み始めた。

 これは野田家の悲願でもあった。小学3年時に家族に連れられてボートレース下関を観戦。性別に関係なく勝敗を競う水上のバトルに、一瞬でとりこになった。空手で全国大会3位になった兄もレーサーを目指したが、身長が1メートル80を超えてしまったため断念。兄の思いも背負って戦いに挑む。

 過酷な減量にも対応している。「炭水化物を抜いたり、ランニングをしたり、ボクシングジムにも通った。体重は今も気にしています」。受験前から10キロ近く絞った。今後は体重維持との闘いも待っている。

 「空手は男女が混合で戦わない。男女が一緒に戦うのが格好いい」と、ボートレースの魅力について語る。目標には山口支部の全員、そして24歳の若さで男子トップレーサーたちに混じって活躍中の大山千広(24=福岡)の名前を挙げた。

 「迫力あるレースをして、ファンも自分も納得できる、存在感のあるレーサーになりたい」

 まだあどけなさの残る17歳ではあるが「空手をやめた分も、ボートレースで頑張らないと」と、並々ならぬ覚悟で挑んでいる。ボートレースの舞台でも全国制覇を狙う野田。その時まで一歩、一歩、前進する。

 福山恵里奈(24)は中学時代にハンドボール、高校ではソフトボール、大学では軟式野球部に所属して投手を務めた。左利きなのに右投げ右打ちの変わり種。中学、高校の体育教員免許も取得したが「プロのスポーツ選手」への憧れが強く、「テレビで見て収入面も魅力だった」ボートレーサーへの道を志した。
 一発合格で大学卒業後に養成所に入所。今年5月にプロレーサーとしてデビューした。ボートレーサーは体重維持も仕事の一つ。「筋肉質なので食事には気を使う。レース前は、夜ご飯は、ほぼ食べません」と教えてくれた。

 生まれも育ちも、ボートレース徳山がある山口県周南市。目標の選手は同じ徳山がホームで女子レーサーの佐々木裕美(40=山口)。「ずっと強くて、人としても格好いい」と目を輝かせた。ボートレースの魅力は「1マーク(最初のコーナー)のスピードと迫力」という。「常に周りが見えるように心掛けている」と話すように、持ち前の“冷静さ”で強くて格好いいレーサーを目指す。

 島川海輝(17)は2回目の受験でボートレーサーに合格。高校を中退して小学校低学年からの夢だったプロレーサーとなった。

 小学校時代から野球に打ち込む傍ら「気がついたらボートレースが好きになっていて」両親とボートレース下関でレースを観戦するようになった。山口支部のエース・白井英治がボートレース徳山で行われた最高峰のSG競走で優勝を飾った時も、目の前で見ていた。目標が白井なのは言うまでもないだろう。成長中の17歳。養成所時代は減量のため、一日も欠かさず走り続けた。「一番最後になるまで」にこだわり、3時間走り続けたというエピソードもある。体重が56~57キロから50キロ前後になったことも粘り強さの証しだが、この忍耐力は今後の武器になるはずだ。両親から「海のように輝いてほしい」と名付けられた“海輝”は偶然にも水上を仕事場に選んだ。「白井さんのように山口県を代表するレーサーになりたい。そして、ゆくゆくは日本一に」。歩み始めた夢への階段は、続いている。

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2020年6月11日のニュース