こってり仕上げで高配リターン! プリンスリターンの前田功士厩務員

[ 2019年12月13日 14:32 ]

プリンスリターンと原田和真騎手、手前は担当の前田功士厩務員(撮影・白石智彦)
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 真冬でもTシャツ1枚でトレセンを元気いっぱいに動き回っている。加用厩舎の前田厩務員は栗東でも指折りの有名人だ。

 「冬でも、8度ぐらいまではTシャツで大丈夫ですよ。馬をやってたら熱い。燃えるんです!」

 高校時代、所属していた陸上部の先輩が熱心な競馬ファンだったことで、近所の阪神競馬場に通う日々がスタートした。高校を卒業する頃には馬の道に進むことを決心。しかし、先立つものがなかったため、地元の逆瀬川駅前の有名ラーメンチェーン店「天下一品」で1年ほど働いた。

 「凄くいい経験になったし、今から思えば厩務員と共通する部分もありましたね。どちらも大事なのは地味な仕事を手を抜かずにやること。ラーメンなら麺を上げるタイミング。あと、スープは濃くも薄くもならないよう、十分に注意しないといけません。馬なら脚元、それと僕が重視しているのは腸内環境です。お腹と体の調子はリンクするので整腸剤は欠かせません」

 プリンスリターンは6月に函館に入厩した時から担当している。当初は緩さが目立ったが、着実にステップアップしてきた。

 「付きっ切りで調教してくれている原田君と『ああじゃない、こうじゃない』と言いながら、二人三脚で仕上げてきました。この馬のことを一番理解しているのが原田君だし、レースも安心して任せられます」

 苦労が実を結び、前走のききょうSは2番手から堂々の押し切りだった。

 「凄くマジメで、前の馬を抜かそうとするし、後ろから来られたら頑張る。さすがにG1を勝つとは言いませんが、そんなに力差はないかなと。ムキにならないし、父(ストロングリターン)の適性から見て、マイルもベストだと思います」
 デビュー戦が5番人気、ききょうSが4番人気での快勝。函館2歳Sも11番人気での3着だったように、人気以上に走る“大穴キャラ”だから侮れない。

 「この機会にスーツを新調しようと思って、金曜日に買いに行くんです。もちろん、馬もG1だけに“こってり仕上げ”ですよ」
 人馬ともに仕上がりは万全だ。前田厩務員の“お膝元”の宝塚で、天下一品も顔負けの“こってり”した高配当を届けてみせる。

 ◆前田 功士(まえだ・こうじ)1974年(昭49)8月26日、兵庫県宝塚市出身の45歳。高校卒業後、北海道のケイアイスペースファームを経て、00年7月から加用厩舎で厩務員。思い出の1頭は障害でオープンまで出世したゴールデンガッツだが、「2回使った中山のG1は落馬と最下位でした」と苦笑い。趣味は読書。音楽ではTHE BLUE HEARTS、食べ物ではラーメンをこよなく愛し、17年には「記録を狙いに行って、年間430杯も食べました」。オススメのラーメン屋は滋賀県草津市の十二分屋。

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