騎手から調教師へ 坂井師の変わらぬ「大井愛」

[ 2019年12月6日 05:30 ]

1日付で調教師に転身した坂井
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 【大いに気になる】2000勝達成を控えた坂井英光(44)にインタビューした時のことを思い出した。

 「勝利数にこだわりはないね。ただ、この数字は調教師試験を受けるとき有利(一次免除)になるから。将来は調教師になりたいし、経験を生かしていい厩舎をつくりたい」

 その時は熱い口調の中にも、冷静に自己を分析。人生設計を立てるところ同様に、馬づくりもそうやっていくのだろうな、と感じた。そして先月14日に、その吉報がやってきた。2度目の受験。「勉強が嫌いな俺がめちゃくちゃ勉強した」のが実った。今後は開業まで大井・藤田厩舎の臨場業務をこなしながら研修にも行って態勢を整える。「藤田厩舎はリーディング上位で学ぶことがたくさんある。もちろん外にも出てたくさん見聞を広めるつもり」と意欲がみなぎる。

 騎手として「馬は一人でつくれない」が口癖だった。調教師、厩務員に敬意を持って接し、自分はレースでより良い結果を出す。その気持ちで乗ってきた。「騎手として悔いはたくさんある。それを調教師として一つずつかなえていきたい。父が厩務員ということもあるが、スタッフを大切にする厩舎。チームワークでいい馬を育て、もっともっと大井競馬を盛り上げたい」。どこまでも「大井愛」にあふれた熱血漢が研鑽(けんさん)を積み、立場を変え、ひと回り大きくなって戻ってくるつもりだ。

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2019年12月6日のニュース