【菊花賞】武プレミアな男!史上初3元号G1V 菊の最年少&最年長制覇も達成

[ 2019年10月21日 05:30 ]

早め先頭で押し切り、菊花賞を制したワールドプレミア(左)(撮影・平嶋 理子)
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 究極にプレミアムな勝利だ――。牡馬3冠最終戦の「第80回菊花賞」が20日、京都競馬場で行われ、絶好位のインで脚をためた3番人気のワールドプレミアが優勝。武豊は50歳7カ月6日での勝利で菊花賞“最年少&最年長V”の偉業と共に、史上初の3元号でのG1制覇を果たした。管理する友道康夫師(56)は史上13人目の牡馬3冠トレーナーとなった。 レース結果

 さすが武豊、これぞ菊男。菊花賞の勝ち方を知る名手の見事なエスコートだった。最多記録を更新する菊花賞5勝目を挙げた武豊は、ワールドプレミアの馬上でガッツポーズしながら検量室前に引き揚げてきた。

 「ゴールした瞬間はうれしかった。いいレースができました」
 内めの5番枠からロスのないレース運び。勝負どころの3~4コーナーの下りで加速して1番人気ヴェロックスの内を突くと、残り200メートル手前で先頭に立った。「いいスタートを切れたのが大きかった。枠も良かったし、できれば道中は内々を走ろうと。いい手応えで最終コーナーを回れたし直線もスペースができて、いいタイミングで抜け出せた」。鞍上の左ステッキに応え、先頭でゴールに飛び込んだ。

 武豊がG1初制覇を果たしたのが88年(昭63)、スーパークリークでの菊花賞。19歳7カ月23日は今でも同レースの最年少優勝記録。平成に入っても96年ダンスインザダーク、00年エアシャカール、そして05年にはディープインパクトで3冠も達成した。令和元年の今年は50歳7カ月6日で最年長記録。3つの時代で菊花賞を制した鞍上は「最年少と最年長で獲れてうれしいね」。くしくも、この日は16年に他界した父・邦彦さんの誕生日。「いい報告ができればと思っていた」と照れながら勝利をかみしめた。

 7月30日にディープインパクトが死んで以降、産駒がG1を勝つのは初めて。かつての主戦は「意識もあった。いい走りをするし、ディープの血を引いているのを感じる」。キャリアはまだ6戦だけに伸びしろも十分。2月フェブラリーS(インティ)以来のG1勝利となった武豊は「僕自身も久々にG1を勝てて良かった。まだまだこれからの馬だし、一緒に頑張っていきたい」と期待を寄せた。次走は未定ながら、長距離路線を歩んでいく予定。競馬界のレジェンドと令和最初の菊花賞馬が、新時代を引っ張っていく。

 ◆ワールドプレミア 父ディープインパクト 母マンデラ(母の父アカテナンゴ) 牡3歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・大塚亮一氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績6戦3勝 総獲得賞金1億9472万9000円。

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