日本馬と不思議な緑 レーンの戴冠期待

[ 2019年5月3日 05:30 ]

レーン騎手(左)と食事した際に記念撮影(撮影・平松さとし)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】短期免許で初来日し、最初の週にいきなり新潟大賞典を制したダミアン・レーン。2年前のオーストラリアで彼と一緒に食事をしながらインタビューさせていただいたことがある。

 94年2月6日、西オーストラリアのクーヨンガ生まれだから現在まだ25歳。父のマイケルさんは調教師で母のヴィッキーさんも元調教師。6人きょうだいの長男として育てられた。

 「物心がつく前に初めて馬に乗りました。10歳の時には牧場で調教にまたがっていました」

 15歳で高校に通いながら見習い騎手となった。しかし、1年後には高校を中退し騎手に専念。13年に初重賞勝ちを飾ると翌14年には早くも初G1勝利。その後、瞬く間にトップジョッキーへと駆け上がった。

 2年前から「いずれ日本で乗ってみたい」と語っていた彼は、日本との縁も少なからずあった。

 17年9月に元日本馬のブレイブスマッシュで準重賞を勝った。同馬が世界最高賞金短距離戦のジ・エベレストに出走することが決まった際は、同日に他場で行われたG1でこれもまた元日本馬のトーセンスターダムに騎乗した。

 「同じ厩舎でしたのでどちらに乗るか、僕に選択権を与えてもらえました。ジ・エベレストも魅力だったけど、名より実を取ってトーセンスターダムをチョイスしました」

 結果、これが正解だった。レーンは見事にトーセンスターダムに初のG1制覇の栄冠をもたらしてみせたのだ。

 ちなみに彼の初G1勝利が14年だったと記したが、この時は1位入線後に負けた馬の陣営から異議申し立てをされて、審議の上でおとがめなし=優勝が決まった。だから「うれしさよりもホッとした気持ちの方が強かった」と言う。さて、日本ではスカッと気持ち良くG1勝ちといくだろうか。期待したい。(フリーライター)

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2019年5月3日のニュース