【NHKマイルC】“泣いてる”ケイデンス“身内”苦しめる

[ 2019年5月3日 05:30 ]

<NHKマイルC>坂路を追い切ったケイデンスコール
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 【G1ドキュメント・栗東=2日】令和の時代に、昔、先輩記者から聞いた昭和の格言をオサムは思い出した。

 <“泣いてる”馬を買え!!>だ。“泣き”とは、陣営の本音は自信があるのに、あえて煙幕を張る意味で弱気を口にするもの。いかにも昭和的なマスコミとの駆け引きだが、今回当てはまる馬がいる。ケイデンスコールだ。

 最終追い切りは朝イチの坂路で単走追い。4F55秒3~ラスト1F12秒5。ハツラツとした脚さばきに見えたが、安田隆師はかぶりを振るばかり。

 「先週、コースでビッシリ(6F81秒5)やっているので今朝は軽めで。動きに関しては大したことない。相手が強い。正直、しんどいと思います」

 食い下がる報道陣を振り払うように自転車で厩舎に向かった。果たしてそうか。安田隆師といえば今をときめくリーディングトレーナー。ケイデンスコールは5頭が出走するロードカナロア産駒のなかで真っ先に重賞のタイトル(新潟2歳S)を手にした馬だ。最高の舞台に最上級の仕上げが施されていることは間違いない。

 毎日杯から中5週になる臨戦課程も理想的。その毎日杯でも最速の上がりで4着にきているのだ。“泣く”理由が見つからない。

 「カナロアの子供が5頭も出てくるんですか。じゃあ、うちのが一番下かも」は謙遜にも程がある。

距離短縮がプラスなら左回りに替わるのも好材料。鞍上は新潟2歳Sを制した石橋だ。最後に「結果が出れば、いいですね」とちらっと見せた笑顔が、譲れない勝負気配を感じさせた。

 グランアレグリア最大の敵は身内にあり。同じ勝負服(サンデーレーシング)のケンデンスコールだ。

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2019年5月3日のニュース