【ドバイターフ】アーモンド制圧!衝撃世界デビューで凱旋門賞へ弾み

[ 2019年3月31日 05:30 ]

ガッツポーズでウイニングランするアーモンドアイとルメール
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 衝撃の世界デビューだ。日本勢9頭が出走した「ドバイ国際競走」。G1ドバイターフ(メイダン芝1800メートル=優勝賞金約3億9600万円)が30日(日本時間31日未明)に行われ、昨年のJRA賞年度代表馬アーモンドアイ(牝4=国枝)が直線で豪快に突き抜け、海外初挑戦で日本馬5頭目の勝利を挙げた。昨年4月の桜花賞からG15連勝。今秋参戦プランのある凱旋門賞(10月6日、パリロンシャン芝2400メートル)に大きな弾みをつけた。

 初の海外遠征も初のナイターも、日本が誇る最強牝馬には全く関係なかった。完璧な手綱さばきでアーモンドアイを海外初V&G15連勝に導いたルメールは「もちろん、勝てると思っていた。ゲートの出が良くていいポジションを取れたし、道中もリラックスしていた。最後の直線もいいストライドを伸ばしてくれた」と笑顔。「まだ今シーズンは長いし、もっともっと大きな戦いに出ていかなければならない」と、今後のさらなる飛躍を約束した。

 英国ブックメーカーでも断然人気、国内では単勝1・2倍という圧倒的な支持にふさわしい完勝劇だ。スタートを決め、道中は中団外めを追走。直線に入ると抜群の手応えで進出を開始し、軽く仕掛けた程度で残り300メートル付近で先頭に躍り出た。鞍上のルメールは後ろを振り返って確認すると、右ステッキを4発。ゴール前でもう1発入れ、食い下がるヴィブロスを悠々と振り切った。

 まだキャリア7戦の4歳牝馬。ゲート練習ではナーバスな面を見せ、調教中に物見してエキサイトする場面も見られた。それでもアーモンドアイは、あっさりとクリアしてみせた。「環境への順応力、競馬に向けての調整力。レースでの強さだけじゃない。そういう全てがアーモンドアイのポテンシャルなんだ」。国枝師の揺るぎない信頼に、愛馬は最高の形で応えた。

 そのトレーナーにとっても大変な1週間だった。海外メディアから連日の取材攻勢。繰り返される同じ質門にもジョークを交えて丁寧に答え続けた。「変わらないことが一番大事」。重圧を励みに変え、人も馬も不変のポリシーを貫いて、大きな1勝を勝ち取った。

 「今日はどんなパフォーマンスをするかに注目していた。もう少しすんなり勝つと思ったが、(2着の)ヴィブロスは凄い馬なんだな。休み明けを考えれば90点。夢が膨らんだ」とジャッジした国枝師は、今後について「自分としては凱旋門賞を目標にしたい」と明言。「もちろんヨーロッパに行くのは簡単なことではない。ドバイとは芝も環境も違うし、いろいろな準備が必要になる」と、日本競馬の悲願である凱旋門賞挑戦に強い意欲を示した。

 「まだこの馬の限界を知らない」という主戦・ルメールにとっても、母国フランスの最高峰G1である凱旋門賞Vは悲願。中東の地で実力をアピールしたアーモンドアイのさらなる挑戦に世界中が熱視線を送る。

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2019年3月31日のニュース