【エリザベス女王杯】リス買いキャノン!馬なり圧巻52秒0

[ 2018年11月8日 05:30 ]

ジョアン・モレイラ騎手を背に坂路で単走で追い切るリスグラシュー
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 雷神が悲願Vへと導く。秋の最強牝馬決定戦「第43回エリザベス女王杯」(11日、京都)の追い切りが7日、東西トレセンで行われた。栗東ではリスグラシューが新コンビを組むジョアン・モレイラ(35)を背に、坂路で併走馬を3馬身突き放す圧巻の動き。G1・2着4回のシルバーコレクター返上へ、万全の態勢を整えた。

 もう銀メダルはいらない。悲願のG1タイトルへ、リスグラシューが栗東坂路を快走した。新コンビを組むモレイラを背に、オープン馬リーゼントロックとの併せ馬。だが、残り1Fを待たずして、パートナーを置き去りに。あとは独走態勢。前方で追い切る馬が激しく蹴り上げる木片を、まともに受ける状況もひるまず突き進む。四肢がパワフルに躍動し、圧巻の3馬身差。馬なりのまま4F52秒0の好タイムを楽々と叩き出した。

 「ハッピーな状態だね。健康そうな体つきだし、グッドコンディションだ」。初コンタクトで好感触をつかんだモレイラは満足そうだ。「イメージと違って前向きな馬。走りたいという気持ちがあふれているよ」。見守った宮内助手も「先週、しっかり負荷をかけた(坂路で4F51秒5)ので、今日はサラッと流す程度。それでもこれだけの時計が出るのは具合がいい証拠。カイバ食いも安定している」と仕上げに胸を張る。

 前走・府中牝馬Sは中団から進出し、ディアドラに首差の2着。「内容としては完璧。勝った馬が強かった」と同助手は振り返る。その前走は春の安田記念から12キロ増の460キロ。デビュー時から約30キロ増の自己最高体重での出走だった。「あれでも東京への輸送で減っての数字。乗っていて体に幅が出たと感じるし、春よりパワーアップしたことは間違いない」と力が入る。

 G1は7度挑戦して2着4回。同助手は「能力的にもタイトルを獲らなければいけない馬。モレイラに新たな一面を引き出してほしい」と願う。バトンを渡されたモレイラは「気持ちが不安定な牝馬同士のレースは難しい面がある」。そう前置きした上で「でも、これまで何度も牝馬のレースに乗ってきたから大丈夫。経験を生かして、このチャレンジを楽しみたい」と余裕の笑み。リスの夢、そして自身の悲願でもあるJRA・G1制覇へ。開催2日の騎乗で6勝と、既に京都コースを手の内に入れた“マジックマン”が、どんな魔法を繰り出すか。

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2018年11月8日のニュース