【エリザベス女王杯】「ミスター牝馬」へ、クイーンまた驚時計

[ 2018年11月8日 05:30 ]

蛯名を背に坂路で追い切るフロンテアクイーン(右)(撮影・村上 大輔)
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 【G1ドキュメント・美浦=7日】前日の雨も上がり、追い切り日和。小田は坂路モニターにくぎ付けになった。蛯名を背にしたフロンテアクイーンがキングスヴァリュー(3歳1000万)を5馬身も後ろから追いかけ、急接近していく。体を並べたゴール板。頭が出たのはヴァリューの方。フロンテアは遅れたか?

 だが、小田はモニターを見てあ然…。4F50秒5!!10月31日の1週前追い(坂路4F50秒6)に続き、2週連続の猛時計。驚嘆するしかない。蛯名は「多少、速くなったが動き自体はいい。前走も良かったけど、高いレベルで維持できている」と納得顔。国枝師は「ジョッキーがこの馬のことをよく知っているし、あとはお任せ」と、にこやか。出来に関しては一点の曇りもない。

 昨年2月の初音Sを最後に白星と縁がないが、その後10戦で2着6回、3着2回。2走前のクイーンS(2着)から再コンビ結成の蛯名は「だいぶ大人になった」と言う。前走・府中牝馬S(3着)を「時計(1分44秒8)も速いし、上がり(3F32秒9)も速い。強い相手にいい内容だった」と評価する。

 蛯名がこの馬とG1に挑むのは3歳の秋華賞(14着)以来。「あの頃は不安定な面もあった。古馬になってどうか。メンバーは強いけど、その辺に期待したい」。10年の牝馬3冠馬アパパネでもおなじみの蛯名&国枝師の黄金タッグ。女王杯Vなら史上初のJRA牝馬限定G1完全制覇となる国枝師は「いつも一生懸命に走る馬。初重賞がG1なら最高だよ!!」と笑顔で結んだ。

 ムードは最高潮。いつもはマークシートの2〜3着欄に塗りたくなる善戦娘だが、小田は勝利を願う指揮官の思いが夢物語とは思えなかった。

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2018年11月8日のニュース