【大阪杯】スワロー 濃霧切り裂く総仕上げ「力を付けてる」

[ 2018年3月29日 05:30 ]

濃霧が立ち込める中で追い切りを終えたミッキースワロー
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 【G1ドキュメント=美浦・28日】美浦トレセンは早朝から濃霧が立ちこめた。霞ケ浦の南西に位置するこの地は霧の多発地帯で知られるが、「こんなに深い霧は初めてだ」(古賀史師)と開業30年のトレーナーも驚きの声を上げる白一色の世界。ミッキースワローは10メートル先の視界も利かないWコースで総仕上げを行った。

 鞍上の菊沢師が周囲の蹄音に耳を澄ませながら単走で外ラチ沿いを回る。視界が利かないため音だけが頼り。霧の濃い初夏の摩周湖でボートを操るように慎重に推進させた。最後まで手綱は押さえたまま。それでも、息遣いの良さは伝わってきた。「先週の時点で仕上がっているから、もう強い追い切りは要りません。この濃霧でも気分良く走っていた」と引き揚げてきた同師は満足そうな笑みを浮かべた。

 鈴木康弘元調教師によるG1馬体診断(27日付)では強力関西馬を抑えて1位評価。「馬体診断のご指摘通り成長している。強豪相手にどこまで通用するか、力試しの一戦だが、昨秋に比べて完成度が上がっている」と菊沢師は言う。「体重こそ増えていないが、体つきは立派になった。3歳時のやんちゃさがまだ残っているとはいえ、気性も成長してきた。人間との信頼関係ができている」。視界が悪い中でも気分良く四肢を伸ばしたのは、鞍上への揺るぎない信頼があればこそだろう。

 「前走(AJC杯=2着)は初の古馬相手の上に休み明け。厳寒期のため目いっぱいの仕上げではなかった。そんな中で長くいい脚を使えたのは収穫。間違いなく力を付けています」。菊沢師は霧が晴れたような顔で締めくくった。

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2018年3月29日のニュース