【菊花賞】操縦性向上プロディガルサン 兄の雪辱を

[ 2016年10月20日 05:30 ]

田辺を背に余力十分で先着したプロディガルサン(右)
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 【G1ドキュメント=19日】ステイヤーらしいスラリと胴の長い鹿毛を国枝師が馬場の出口で見つめている。頼もしげな視線の先には追い切りから引き揚げてきたプロディガルサン。「最低でも2000メートル以上は必要だって体形をしているよね。ストライドも大きい。操縦性も良くなった」。12度目のG1獲りを託す菊候補が視界から消えると、長老記者の梅崎に満足そうな笑顔を向けた。

 昨年2着の全兄リアルスティールとほぼ同じ500キロ前後の鹿毛が、Wコースで雄大なストライドを伸ばしていく。6馬身先行したクロスボウ(6歳1600万)に急接近した直線。鞍上の田辺がハミをかけると、造作もなく並びかけた。馬なりでラスト1F12秒3。併入でも脚色は明らかに優っていた。

 「相変わらず軽快。調教駆けする馬だが、それにしてもいい動きだった」と田辺は言う。ダービー(10着)、セントライト記念(3着)に続き3度目のコンビ。「大型馬の緩い面が少し締まってきた。前走も内容は悪くない」と続けた。

 セントライト記念はディーマジェスティに1馬身1/4以上離されたとはいえ、厳しい競馬を強いられている。向正面で内に抑え込まれ、直線では外に振られた。「それでも鞍上の指示に従って、しっかり折り合えていた。操縦性が良くなったのは気性の成長。長距離を克服する武器になる」と国枝師。先週の秋華賞ではヴィブロスが全姉ヴィルシーナ(12年2着)のうっ憤を晴らした。菊花賞ではプロディガルサンが全兄の雪辱を果たすか。「競馬はブラッドスポーツ。まだまだ良くなる余地を残しているけど、未知の3000メートル戦はやってみなければ分からない」と同師は再びニヤリとした。

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2016年10月20日のニュース