【菊花賞】サトノダイヤモンド 逆転1冠へ究極の出来

[ 2016年10月20日 05:30 ]

ルメールを背に追い切るサトノダイヤモンド(手前)
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 3冠ロードの最終戦「第77回菊花賞」の最終追いが19日に美浦、栗東トレセンで行われた。トライアルの神戸新聞杯を快勝したサトノダイヤモンドはCWコースで鋭く先着を果たし、究極の出来をアピール。皐月賞3着、ダービー2着と春は惜敗を喫したが、ラスト1冠奪取に向けて大きく前進だ。

 3冠最終決戦の主役はどの馬なのか?その問いに即答できるくらいの凄みがこのひと追いにあった。サトノダイヤモンドは開門直後にルメールを背にCWコースへ。向正面から馬場入りして道中はペルシアンナイト(2歳500万)を視界に入れながら軽快にラップを刻んでいく。流れるようなフットワークで3~4コーナーをクリアすると直線は僚馬の内へ。手応えは余力たっぷり。奇麗に慣らされたウッドチップで鹿毛の馬体を弾ませ4F52秒9、ラスト1F11秒8だ。半馬身先着でゴールへ。ルメールの感触が抜群だった。

 「とてもいい感じでした。反応が良かったし、時計も速い。状態は完璧。100%になりました」

 休み明けの前走・神戸新聞杯はゴール前、ミッキーロケットに迫られながら、そこから踏ん張って首差勝ち。着差だけで言うなら冷や汗ものの勝利でも、池江師が「急仕上げ」と振り返るように、当時はまだ良化の余地をたっぷり残していた。好走の反動はなく、この中間も順調そのもの。中3週のここに向けて、しっかり上昇カーブを描いてきた。サトノラーゼン(4歳オープン)と併せた先週木曜に6F81秒4~1F11秒5で3馬身先着とビッシリ負荷をかけてある。上積みは十分。池江師はそう力を込める。

 「今朝は素晴らしい動きでした。凄くストライドが大きくて、四肢を伸ばして、なかなか見られない動き。前走とは明らかに違いますね。パドックを見てもらったら別馬のようになっていると思いますよ」

 デビュー前から大物と言われた逸材も春は皐月賞3着、日本ダービー2着と惜しくもGIに手が届かなかった。3000メートル攻略へ、ルメールは「初めてだから分からないけどスタミナはあります。リラックスして走ることが一番大切」と道中のリズムを最優先。池江師は「距離はベストではないと思うし、折り合いがポイント」とした上で「春は無冠。最後の1冠は獲得したい」と締めくくった。この秋こそ!ジョッキー、厩舎が一丸となって、その思いをラスト1冠にぶつける。

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