【菊花賞】ディーマジェスティ2冠へ順調 馬なりで楽々2馬身先着

[ 2016年10月20日 05:30 ]

蛯名を背に、軽快なフットワークを見せるディーマジェスティ(右)
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 3歳牡馬3冠最終戦「第77回菊花賞」(23日、京都)の最終追いが19日に美浦、栗東トレセンで行われた。美浦では皐月賞馬ディーマジェスティがWコースで終始馬なりで追われ、パートナーに楽々と2馬身先着。3着に終わったダービー時より順調な調整過程を踏み、ラスト1冠奪取がくっきりと見えた。なお、同レースの出走馬、枠順は20日に確定する。

 ディーマジェスティの最終追いを終えた蛯名が短く、穏やかに言い切った。「すこぶる順調です」。普段は慎重に言葉を選ぶ大ベテラン。「すこぶる」と形容した一言に充実ぶりが表れていた。

 淀の長丁場を想定した最終追いはWコースで6Fから。きっちりと折り合いながら、5馬身前を行くパワーポケット(4歳1600万)をリズミカルに追走していく。直線で内へ入っても、鞍上は手綱を持ったまま。ゴーサインを出すまでもなく、僚馬に2馬身先着する貫禄の走りを見せた。二ノ宮師は「十分に調教を積んできたので、今日は長めから無理をしなかった。追うごとに良くなって、今は馬体も心臓もできている」と万全の仕上がりをアピールした。

 3着に泣いたダービー。当時は中間の熱発もあり、レース当週に初めて強い負荷をかけられた。今回は1週前の13日に強めに追い、決戦日から逆算された理想的なメニューを消化。順調度は段違いだ。蛯名も「今回は体もふっくらして、前走(セントライト記念1着)からの上積みもある」と完調で本番を迎えられる喜びを隠さなかった。

 過去、19頭のディープインパクト産駒が散ってきた菊の舞台。だが騎手、トレーナーともに「体は(母の父)ブライアンズタイムが色濃く出ている」と口をそろえる。ブライアンズタイム産駒は94年ナリタブライアン、95年マヤノトップガンが菊花賞を制し、母の父としても09年スリーロールスがV。「フットワークの軽さはディープだけど、他の産駒とはまた違う感じ」と蛯名。母方の血が父の呪縛を解く鍵になる。

 凱旋門賞に挑んだダービー馬マカヒキは不在だが、春2冠で死闘を演じたサトノダイヤモンド(皐月賞3着、ダービー2着)との三たびの決戦へ。「ダービーは順調さを欠き、(他馬に)寄られるところもあってあそこまで来ている。馬自身は負けたと思っていないでしょう」(蛯名)。一点の曇りもない臨戦過程を見れば、ラスト一冠は高いハードルではない。

 【追い切りVTR】

 ▼5・29ダービー Wコースで蛯名騎乗。1、2週前追いはともに馬なりで速い時計も出していなかったが、僚馬に並んでから仕掛けられたこの日は6F80秒1~1F11秒9。鋭い反応はさすがだが、大一番へ向け急ピッチで仕上げられた印象はぬぐえなかった。

 ▼9・18セントライト記念 Wコースで蛯名が騎乗。10馬身先に置いたショウナンマルシェ(5歳1000万)に馬なりのまま1馬身差まで詰め寄ってフィニッシュ。休み明けで重馬場だったことを踏まえれば、ラスト1F12秒4の切れは十分に合格点。

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