和田正道調教師 劣勢関東に「歯がゆい」馬も人も育成急務

[ 2014年1月24日 05:30 ]

 66歳の和田正道師は、今も乗り運動に騎乗する。「天国は馬の背と美人の胸にあり、という言葉があるが、その通りだよ」と笑う。83年に厩舎を開業し、今年で32年目。コンスタントに勝ち星を積み重ね、昨年暮れにJRA通算600勝を達成した。

 開業当時は「関東馬の天下。西の騎手が頭を下げて乗りに来る時代だった」と振り返る。関東の隆盛期を知るだけに、西高東低の現状を「正直、歯がゆい」と憂う。復権へ、馬の強化はもちろんだが人材の育成も急務と師は考える。厩舎では昨年からスタッフミーティングを導入。「意見を聞き注意すべき点は注意する。スタッフのスキルを伸ばし、どう発揮させるかは調教師の責任」と話す。

 若い頃は開催日の朝にコースを歩いて芝の状況をチェック。図面にして騎手に手渡していたこともある。競馬漬けの日々は今も変わらない。北海道へ、海外へ、理想の馬を求めて飛び回る。これと決めたらとことんの性格。20年乗り続ける愛車の走行距離は34万キロを超える。

 年明け既に3勝と厩舎は好調。「ここに来て、また勝ちたいという意欲が強くなった」。70歳定年が近づきつつあるが、競馬への情熱が衰えることはない。

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2014年1月24日のニュース