【立川ダービー】怪物完全復活!深谷知広、最高峰初制覇へ

[ 2013年3月19日 06:00 ]

深谷の怪物っぷりは立川で威力倍増だ

 6日間の長丁場で争われるG1「第66回日本選手権競輪」(優勝賞金6000万円=副賞含む)が19日、立川競輪場で開幕する。初日のメーン11R特別選抜予選で主役の座を狙うのが快速・深谷知広だ。相性抜群の立川バンクで11年高松宮記念杯以来となる2度目のG1タイトル奪取を狙う。2月のG1全日本選抜を制した平原康多は10Rで一次予選突破を目指す。20日は10Rに村上義弘、11Rに武田豊樹ら優勝候補が続々と登場する。

 午前8時15分。史上最速(デビューから684日目)G1王者が決戦の地に到着した。今年は落車に悩まされた昨年後半戦の不振から脱却し完全復活。バンクをトップスピードで爽快に駆け抜けている。検車場に姿を現すと「ダービーは一番大きいG1レース。気合が入っている」と鋭い眼光で決意を語った。

 春が近づくにつれ自慢の剛脚は力強さを増してきた。今年最初のG1全日本選抜(松山)は別格のパワーを発揮し3連勝で決勝に進出。ファイナルは平原康多にわずか1/2輪届かず準Vだったが、その後の高松記念4連勝で今年初優勝を飾ると、直前のいわき平記念も勝ち上がりで好走した。今年はここまで24戦14勝。そのレース内容はファンだけでなくライバルたちにも“深谷強し”をあらためて印象づけている。

 大きな追い風が深谷の背中を後押しする。それは立川バンクとの相性だ。出場した4場所は全て優勝。11年11月のF1決勝はバンクレコードにコンマ1秒に迫る上がり11秒0の弾丸まくりだった。「立川ではいつもいい成績。走りやすいしすごく相性がいい」と深谷本人も自覚している。先行選手に不利とされる58メートルの見なし直線を平然と味方にしてしまうのだから平成生まれの怪物は規格外だ。

 いわき平記念は花粉症の影響かセキ込む場面もあったが、大一番に向けて不安要素は少ない。体重はベストに近い88キロをキープし体調は万全。「しっかりした練習ができているし前走よりも良くなっている。上積みはあると思う」と少ない言葉数の中にも自信をみなぎらせた。

 23歳の若さを武器に順調な成長曲線を描く。ダービー王への道のりは初日特選で3着以内に入りゴールデンレーサー賞(4日目)に進出することが近道。G1最高峰の頂点へノンストップで突き進む。

 ◆深谷 知広(ふかや・ともひろ)1990年(平2)1月3日、愛知県安城市生まれの23歳。私立桜丘高卒。09年7月豊橋競輪場でプロデビュー。通算成績は271戦138勝。通算獲得賞金は2億2941万円。主な優勝はヤンググランプリ2010、第62回高松宮記念杯(11年)。高校時代には第62回国体(07年)スプリント、第15回アジアジュニア選手権大会(08年)スプリント・ケイリン・チームスプリントで優勝。師匠は金子貴志(37=愛知)。1メートル69、88キロ。血液型B。

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