【高松宮記念】王者ロードカナロア スプリントG1・3勝へ死角なし

[ 2013年3月19日 06:00 ]

順調な調整を続けるロードカナロア

 春のスプリント王を決める「第43回高松宮記念」(24日、中京)で史上初の芝スプリントG1・3勝目を狙うのがロードカナロアだ。昨秋はスプリンターズSに続き日本馬初の香港スプリント制覇を達成して“世界の短距離王”の座を手中にした。チャンピオンとして迎える今年はサクラバクシンオーやビリーヴといった名馬もなし得なかった偉業を目指す。

【高松宮記念】

 史上初となるスプリントG1・3勝の大偉業に向けて、ロードカナロアには不安らしい不安が見当たらない。陣営も大一番を前にしながらリラックスモード。全休日の月曜日、安田翔助手は、冗談を交えながら意気込みを口にした。

 「今は高松宮記念に向けていい調整をして、無事に送り出すことだけを考えています。G1・3勝目というプレッシャーにはもう慣れましたよ」

 昨秋のスプリンターズSと香港スプリントでは、同じ安田厩舎のカレンチャンがスプリントG1・3勝目に挑戦した。それぞれ2着、7着に終わって夢破れたが、両レースを制したのがロードカナロアだった。そのカナロアの今年初戦はベストより1F長い千四の阪急杯。しかも初の58キロと克服すべき課題が多い一戦だったが、3/4馬身の着差以上に強い内容で完勝。安田翔助手は満点の評価を与える。

 「前走はケンカしてでも抑え込んでもらおうと思っていたし、それを考慮して仕上げました。レースではこっちが思っている以上に調教で教えたことを生かしてくれましたね」

 年末の香港スプリントは好位で行きたがる気持ちを前面に出しながらの押し切りV。非常に強い競馬だったが「前に行くと厳しい」とされる中京千二での高松宮記念を見据えたとき、一抹の不安もあった。そこで前哨戦にはあえて1F長い千四を選び、かつ脚をためる戦法を選択。課題をパーフェクトにこなしたことで、本番への自信を深めたというわけだ。

 「前走後もカーッとなっていませんし、調整は凄くやりやすいです。単走だとラチに頼ろうとする面のある馬だけど、先週はそういう面もなかった。気持ちの入り方も理想的でしたよ」

 最も強い馬が、最高の仕上がりで挑むのであれば、答えは一つしかない。日本競馬の歴史に新たな1ページが刻まれるまで、あと5日だ。

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2013年3月19日のニュース