赤字体質の改善難しく…荒尾競馬が年度内に廃止へ

[ 2011年8月26日 06:00 ]

昨年10月に熊本県の荒尾競馬場で開かれた交流戦

 熊本県荒尾市は、運営する荒尾競馬の赤字体質を改善するのが難しいと判断、今年度中に廃止する方針を固めたことが25日、分かった。前畑市長が9月の市議会で表明する。

 荒尾競馬の売り上げは1992年度の約159億円をピークに10年度は約49億円にまで減少。98年度から赤字経営が続き、累積赤字は10年度に約13億6000万円に達した。荒尾市によると、今年2月から競馬組合の会計方式を変更して公営企業化。国が09年度から5年間に限り認めた、公営企業廃止の必要経費に充てられる地方債「第三セクター等改革推進債」発行も視野に入れている。

 一方、荒尾競馬組合は、この日予定されていた調教師、騎手、馬主らとの懇談会で廃止決定ではないことを説明。同組合は「県など関係団体への連絡もこれからで、25日の懇談会の意見などを踏まえて検討が重ねられると思う。現段階では今後のことはまだ流動的」としている。

 地方競馬の監督官庁、農水省によると、最近では06年度に北海道のばんえい競馬から旭川、北見、岩見沢の3市が撤退。04年度には栃木県が宇都宮競馬を廃止した。

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